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ディズニー映画に隠されたメッセージを徹底解明! 見方がガラリと変わる『暗黒ディズニー入門』

「ディズニー」という言葉ほど、人によって連想されるものが違う言葉はないだろう。印象も、知識の量も大きく異なるはず。『暗黒ディズニー入門』(コア新書)では、そんなさまざまなイメージを持つディズニーの正体の解明を試みる。

 著者である高橋ヨシキ氏は、ディズニー好きを自負しており、本書はニュースサイト「ブッチニュース」で連載されていた「高橋ヨシキのディズニー大好き!」をまとめ、一部加筆した一冊。まえがきで著者は、ディズニーによって「魔術への信頼」という影響を受けたとしている。サブカルチャーを主な主戦場とする著者の源流が、ここにあるようだ。

 第一章では、ディズニー34本目のアニメーション映画『ノートルダムの鐘』からディズニーを深掘りしていく。この『ノートルダムの鐘』は、テーマとモチーフに、キリスト教が前面に押し出されているという。

 しかし、それはキリスト教を賛美するプロパガンダ的役割ではなく、“反キリスト”だというのだ。そもそも「アニメーション」の語源は、ラテン語で霊魂を意味するアニマ(anima)。由来は、自然界のあらゆるものに霊が宿るというアニミズム信仰からきている。対するキリスト教では、生命と無生物では大きな隔たりがあるとされており、その生命でも人とそれ以外では全く違う。すべてのものに霊が宿るという信仰と、神が生命を創造したという信仰のキリスト教とでは、決して相入れないのだという。同作品は、アニメ作品という点で、すでに“反キリスト”だといえるだろう。聖母マリアを示す言葉を冠した実在の教会を舞台にした作品だが、“反キリスト”のメッセージが巧みに隠された作品だというのは、なんとも皮肉である。

 続いて『白雪姫』の項目では、ナチスドイツ総統アドルフ・ヒトラーがミッキー・マウスが大好きだったというエピソードが語られる。ヒトラーは、ディズニーアニメの大ファンで、その中でも特に『白雪姫』が好みだったとか。ヒトラーが『白雪姫』を好んだその理由や、同作品がのちの文化に与えた影響などが詳しく著されている。

“奇形と差別にまつわる物語”とされる『ダンボ』についての解説も。“奇形と差別にまつわる物語”といわれてもピンとこない人は、ぜひともこの章を読んでいただきたい。

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