“団地の給水塔”の地位向上を目指す「日本給水党」党首に会ってきた
#スズキナオ #勝手にしらべ隊
――UCさんはお仕事をされながら、空いた時間に撮影に行っているそうですが。
UCさん 基本的には週末と、たまに休みを取って撮影に行っています。なので、なかなか一度にたくさん回るというのが難しいんですよ。一度、長めの休みが取れた時があって、その時は東京の池袋の「東横イン」に5連泊して、毎朝山手線に乗って東京近郊の給水塔を撮影に行きました。普通に毎日出勤してるような気分でした(笑)。
――遠方での撮影、結構大変そうですね。
UCさん 例えば北海道の団地の給水塔は、現在では旭川と苫小牧方面の2つしかないんですよ。電車で3時間半以上かかる距離なんですが、旭川に宿を取ってまず撮影して、それから苫小牧方面に撮影しに行って、最初に旭川で撮影した時にあまり天気が良くなかったんで、次の日また行ったり(笑)。めちゃくちゃ効率が悪い。
――撮影される際は、天気にもこだわるんですね。
UCさん 天気の良い日に、青空をバックに撮影するようにしています。団地の給水塔って、古いものだし、曇天とか夕暮れを背景に撮影すると、どこか寂しげに見えちゃうんですよ。孤立無援な感じが出てしまって。自分としてはもっと、パキッとフラットに、キレイに撮影したいんです。見てくれた方に、自由に想像してもらえるような写真にしたい。もちろん、私も、ふと寂しい気持ちになる時もあるんです。「こんなところまで来て、給水塔を撮影して、何やってるんだろう……」って人生と対峙したり(笑)。でも、それを写真にはあくまで反映させたくなくて、明るく開けた感じで見てもらいたいなと思いますね。
――そんなUCさんの、フェイバリット給水塔はどれですか?
UCさん 基本的には“給水塔に貴賎なし”というのがポリシーです……という前提なんですけど、強いて言うとしたら、大阪・堺市にある「大阪府営八田荘住宅」ですね。
とっくり型の給水塔が3基あるんです。私が最初に給水塔と出会った古市中団地と同じで、さらに規模も大きい。見晴らしも良くて、ずっと佇んでいられます。駅からも近くて行きやすいので、ここは何回も行っています」
――撮影時に、特に印象に残った給水塔はありますか?
UCさん 今はもうなくなってしまったんですが、大阪・高槻市にあった「UR総持寺団地」の給水塔は印象に残っています。
給水塔の真下にベンチがあって、いつ行っても、そこで近所のおばちゃんが井戸端会議をしていたり、おじいさんが新聞を読んでいたりと、思い思いの時間を過ごしていて……。
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