『山田孝之のカンヌ映画祭』最終話 映画『映画 山田孝之3D』に至る崩壊と再生と、それから芦田愛菜と……
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ある日突然、「カンヌ映画祭の最高賞を目指す」を言い出した俳優・山田孝之。自らプロデューサーを買って出て“親殺し”をテーマとした作品の企画を立ち上げると、その主演に芦田愛菜を連れてきて、監督を務める山下敦弘を驚かせた。
しかし、そうして始まった『穢の森』の撮影は、クランクイン初日に空中分解。自らの理想にこだわりすぎる山田について行けず、監督・山下と主演・芦田が降板してしまった。これまで、日本映画大学校で勉強したり、実際にカンヌに行ってその雰囲気を感じ取ったり、『穢の森』にそっくりなタイトルの『殯の森』(2007)という作品で第60回カンヌ映画祭グランプリを受けた河瀬直美監督に叱られたり、マンガ家・長尾謙一郎に何枚ものイメージ画を描かせたり、長澤まさみを脱がせようとしたり……そうした努力(?)は、水泡に帰してしまった。
というわけで、最終話。「山田孝之 故郷へ帰る」を振り返る。
この映画のために作られた「合同会社カンヌ」の事務所は、荷物も片づけられて閑散としている。
現場崩壊から1週間後、山田孝之は故郷・鹿児島へ飛んでいた。最初に訪れたのは、薩摩川内市内の中学校。母校である川内南中学校に一歩足を踏み入れるだけで、山田にはこみ上げるものがあったようだ。同行スタッフに「どんなことを思い出しますか?」と問われても、「なんか、それこそこう、放課後……」と言ったきり言葉を継ぐことができない。
次に訪れたのは、生まれ育った実家だった。小型車でもすれ違えないほどの細い路地を抜けると、しかし、山田の生家は取り壊されて更地になっていた。
「なくなっちゃいましたね」
また、山田はこみ上げるものを抑えきれなくなる。山田は生家が取り壊されていたことを知らされていなかったという。
その更地に建っていた家を、なんとか思い出そうとしているのだろう。山田はここまでずっと着けていた黒いサングラスを外し、もう涙を隠そうともしない。玄関のタイル、父親と作ったベッドの部品……わずかに、思い出の残骸が次々に顔を見せてくれる。
「ああ、悔しい……もっと早く来ればよかったなぁ……」
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