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超異色サバイバルムービーが劇場公開!

現代の「トキワ荘」はユートピアか無間地獄か!? 創作の苦しみを描く守屋文雄初監督作『まんが島』

mangajima_03売れっ子漫画家を演じるのは注目の若手女優・柳英里紗。「冨永昌敬監督の『ローリング』(15)より先にオファーしました」(守屋監督)。

 映画の本題からずいぶん脱線してしまったが、本作の主人公たちが誰にもマネできない唯一無二の漫画の執筆に情熱を注いだように、守屋監督の『まんが島』もクリエイターの狂気に満ちた、誰も観たことのない超個性的な作品として誕生した。

守屋「自分の次を考えたとき、いわゆる名刺になるような作品をつくるべきだというのは分かるんです。でも周りから何周も遅れて、それでも重い腰を上げようとしたときに、『こんなにいっぱい映画があるのに、なんでわざわざ自分が映画をつくるんだろう』と人並みに考えて。そうしたら『名刺になるかも』なんて思ったものに、人を巻き込むことは出来なくて、見たことがないもの、自分が本当に見たいものを撮るしかなかった。あんなメチャクチャに見える台本に、キャスト・スタッフの誰からも質問がなかったのは、その気持ちに賛同してくれたのかなと今になって思います。こんなに好き勝手な映画をつくって、何言ってんだって言われるかも知れないけど、好き勝手やったんじゃないんです。脚本の初稿は連載を勝ち取るという結末だったのが、頭を空っぽにして『まんが島』という作品の要求を聞いていたら、いつの間にか今の結末に変わっていた。どんどんプリミティブに、ものづくりの起源みたいなものに迫っていく他ないんです、あの島に入ったら。やあ、とんでもない島ですよ、あそこは。それは当然、撮影・編集・音仕上げのプロセスにも反映されています。だから映画が始まったら、ただ画を見て、音を聞いて欲しい。そうやって映画の動きに身を委ねてくれたお客さんの中で起こる、見たこともない何かのためにつくった映画ですから」

 人気アンケートや世間の流行を気にせず、自分にしか生み出せないオリジナルの世界を追求する覚悟がある者だけが辿り着くことができる幻の島・まんが島。あなたは現代社会に残された秘境・まんが島に足を踏み入れる勇気があるだろうか?
(取材・文=長野辰次)

mangajima_04

『まんが島』
監督・脚本・編集・制作/守屋文雄
出演/水澤紳吾、守屋文雄、松浦祐也、宇野祥平、政岡泰志、川瀬陽太、柳英里紗、笠木泉、森下くるみ、河原健二、長平、邦城龍明 
配給/インターフィルム 3月25日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開
(c)2017守屋文雄
http://manga-jima.com

最終更新:2017/03/24 17:00
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