「週刊文春はスクープを忘れたか」元・名物編集長が“いただけない”週刊誌に喝!
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
昨年掲載された記事から「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」が3月13日に発表された。大賞は「ベッキー31歳禁断愛 お相手は紅白初出場歌手!」(週刊文春1月14日号)に決まった。
私はこれには不満がある。ベッキーのゲス不倫はさほどのスクープではない。よくある芸能ネタで、話題にはなったが文春の力を見せた記事ではない。私は以前からいっているが、美智子皇后が雅子妃を叱ったという文春の記事は、これまでどこもできなかった大スクープだと思う。
何しろ、2人だけの会話が語尾まで正確に掲載されているのだ。新谷編集長は私に、「この情報源は墓場まで持っていきます」といっていた。宮内庁が形だけ抗議したが、そのままになってしまっているのが、この記事の真実性を担保している。
このテーマは他のメディアが無視するか後追いできないので、それ以上は広がらなかったが、スクープ度という点では満点だと思う。同じような賞に、自由報道協会賞というのがある。ジャーナリズムの信用と権威を高めた個人や団体に贈るものだが、今年は私も参加したので報告しておきたい。私は、先ほどの文春の美智子皇后と雅子妃の記事を推したが、文春側が辞退したというので候補には入らなかった。
受賞は、東日本大震災、福島第一原発事故後の現在をネットで発信し続けている「Voice of FUKUSHIMA」に決まった。コツコツと地道に「報じなければいけないこと」に取り組んでいる姿勢に、ジャーナリズムはまだまだ死なないと思った。
さて、ポストに、妻が突き付けた理不尽な離婚理由という特集がある。「洗面所がいつもビショ濡れ」「スリッパが脱ぎっぱなし」「ドレッシングを冷蔵庫に戻さない」「おふろの湯を抜かない」「洗濯物の畳み方が違う」「食べる時にくちゃくちゃ音を立てる、犬食いする」「リンゴの皮を剥かずに食べた」「録画番組を消した」などなど。
私だったらこれかな。「通帳を見せて」。私はいまだに年金の額を知らない。否、教えてくれないのだ。山田洋次監督の『家族はつらいよ』では、妻から離婚要求が出されるが、その理由も「大きな音でうがいをするし、何度いっても脱いだ靴下やパンツは裏返しだし、昔は男らしいなって思ってたけど、もう嫌いなの」というたわいのないものだった。だが、長年連れ添っていると、そんななんでもないことがずっと嫌だったということがあるんだろう。夫婦はいつまでたっても他人だからね。それを忘れてはいけない。
韓国は朴槿恵が罷免されただけではなく、逮捕・起訴されるようだから、混乱はまだまだ続く。
5月には大統領選があり、新しい大統領が選ばれるが、その最有力候補である「共に民主党」の文在寅前代表は、文春によれば、親北で、彼が当選して反米親北政策を打ち出せば、中国が強硬に撤廃を要求しているTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備も再検討されるかもしれないという。
さらに、日韓が昨年11月に締結した軍事情報包括保護協定の撤回にも言及しているそうだから、北のミサイル発射と同時に日本政府にも情報が伝わる態勢が崩れる可能性もあるというのだ。だからだろうか、17日には北朝鮮のミサイル落下を想定して、秋田県の男鹿半島で政府と地元自治体が初の住民避難訓練をやったという。しかし、ミサイルが発射されてから避難命令を出しても間に合うわけはない。政府は何を考えているのか。そんなことより、北朝鮮を抑え込むために中国と話し合うことのほうが喫緊の重要課題である。
私の時代では中国と対話ができないから退くと、安倍首相はいうべきではないか。新潮は、「父は殺された」とビデオメッセージで語った金正男の長男・キム・ハンソルは、韓国の「国家情報院」の庇護下にあり、朴の次にできる左翼政権が北とより近くなることを阻止するために、北の仕業と見せかけて韓国の極右陣営のOBなどが、金正男暗殺を仕掛けたのではないかという見方を報じている。真偽は闇の中だが、どちらにしても、日本にとって韓国との関係はよくなりそうもないようである。
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