SF大作だった!? 視聴率上昇の『就活家族~きっと、うまくいく~』段田安則“働かせすぎ”問題
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そんな平行線の水希と洋輔の関係を動かすのは、天谷五郎(段田安則)。マンションをちょっとでも高く売りたい洋輔のために、必死になって交渉し、洋輔に自営のコンサルタント業を勧めたのも彼。今回は2人の間に入り、財産分与などの離婚に際したあれやこれを受け持つことに。働きすぎです。富川夫妻が酷使したせいなのか、天谷は体調を崩して倒れてしまいます。しかも、富川のマンションで。
天谷を“友人”として信頼している洋輔は、病床に伏す天谷の代わりに天谷が抱えていた仕事を「経営コンサルタント」として受け持つことに。まるで『走れメロス』みたいです。同級生の夏野久美(キムラ緑子)の店舗をコンサルティングしたときとは違い、メラメラとやる気をたぎらせます。
姿を見せない天谷の妻に、洋輔が電話をすると驚くべき真実が判明します。洋輔を励まし続けたこの男、実はすでに妻と離婚して家庭を失っていたとのこと。SF小説『夏への扉』、映画『ターミネーター』よろしく、天谷は自身の経験から洋輔の未来に起こりうることを予想し、最悪の結末を避けるために道を示していたわけです。
ところで息子の光ですが、恩師である国原耕太(新井浩文)が新しく始める福祉事業に誘われ、完全にそっちを向いてしまいます。マンション売却でなくなった住む場所も、国原から無償で提供され、光の国原への信頼は強いものに。一方で、洋輔への要求は大きなものとなっていきます。これを俯瞰でみると、国原が光を人質に取る格好に。
絶体絶命まで追い詰められた富川一家。ですが、アルバイトしている編集部で就活塾特集の記事を光が担当することとなり、国原の就活塾が“悪徳”だと言われる理由を取材し始めます。国原の化けの皮を剥がし、地獄へ叩き落とすのはおそらく光。なんとなくここも寓話的。
インドに行くか? それとも家族を取るのか? この2つに1つの選択から、洋輔は家族を選びました。きっと、洋輔は旧来の家族のあり方の代弁者で、水希は10年代の家族のあり方だと思うんです。でも、そんな洋輔は家族を選んだ。ここにはすごく意味があって、旧来の家族のあり方では、今現在のそれに当てはまらないと宣言したシーンなのではないでしょうか。映画やドラマ、アニメ作品でも“地縁、血縁にとらわれない家族の姿”というテーマを扱うことが多くなってきた気がします。
さて、次回はいよいよ最終回。離婚するのか否かは次回に持ち越し。ほかにも栞の結婚、洋輔に言い寄る川村優子(木村多江)の存在、国原の件など、問題は山積み。これらの障害を乗り越えた先に待つ“家族”って、どんな姿なんでしょうか。
(文=どらまっ子HAYAちゃん)
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