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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > “ドロドロ不倫劇”の行く末は

14.5%! 好調続くTBS『A LIFE~愛しき人~』超トゥーマッチなマサオと“ドロドロ不倫劇”の行く末

 榊原は、愛情に飢えた人物です。前回、自分を愛してくれなかった父親が病気で担ぎ込まれたのに「死ねばいい」と思っていたほどです。そして、その「死ねばいい」という気持ちには「もっと自分を愛してほしかった」という強い情念が含まれていることも、身を持って理解していました。

 だから榊原は、マサオが許せなかったのです。「妻なんて、死ねばいい」という思いは、つまり「どうして僕を愛してくれないんだ!」という強い情念であり、都合のいいときだけ抱いてくるマサオに、天誅を下すことにしたのです。

 榊原は、みんなの前でマサオを断罪します。もちろん、リスク管理の専門家ですから、自分の身体を弄んだことを告発するわけではありません。深冬が、脳に腫瘍を抱えながら外科的治療を行っていたことに、重大なリスクがあったことを指摘したのです。深冬の病気を承知で外科的治療を行わせていた、それは「副院長の責任問題だ」と。

 マサオ、絶句……。

 榊原さん、愛情の裏返しで、何もかもブチ壊しにきました。ドン引きするほどドロドロの昼ドラ展開で、今回はここまで。

 このドラマのけっこう大きな違和感というか「そりゃねーぜ」感だったのが、この「脳腫瘍の深冬がオペしてる問題」でした。普通に考えて、いつ倒れるかわからん人間が人の腹を捌くのはマズイだろうと、序盤からずっと気になっていたんですが、とりあえずその問題は着地を見たようです。

 もうひとつ、今回で着地したのが「深冬のオペ方法が見つかんない問題」です。なんだかんだで、ようやく沖田が見つけました。あと今回は、かわゆいJCのゲスト患者エピソードもありましたが、これはいつもの「ほかの医者の誤った判断を沖田が正す」パターンだったので、特に感想はありません。

 このドラマのレビューでマサオのことばっかり書いてるのは、別にひねくれてるわけでもなんでもないんです。キムタク沖田はいつも正しいばかりで、書くことがないんです。芝居もそんなにひどいわけじゃないし、ドラマ自体もけっこうおもしろいし。

 一方のマサオは、もう大変なんですもん。愛する妻が脳腫瘍になっちゃって、手術を頼めるのは妻の元カレしかいなくて、元カレと妻はなんかイチャイチャしてて嫉妬しちゃうし、その元カレがなかなか手術しないからイラつくし、イラついて不倫相手を抱いてたら、その不倫相手が急に寝首を掻くような暴露をしてくるし、元カレが手術の方法見つけたら思わず抱きついちゃうし、この病院は自分のものにしたいし、ならないならどうでもいいし、実父は憎いし、義父も憎いし……と、なんだか超トゥーマッチ。で、そういうマサオを演じる浅野忠信の芝居がまた楽しいんですもん。

『A LIFE』は佳境に入って、キムタクの定番的な作風の下で、脇役たちのものすごい情念が渦巻く不倫男女の愛憎劇が繰り広げられるという、なかなか珍しい味わいの作品になってきたと思います。次回も楽しみです。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

最終更新:2017/03/23 15:47
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