『山田孝之のカンヌ映画祭』第8話 山田孝之の「前科のある人間」求めすぎ問題と、山下敦弘への異常な愛情
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■首を吊る村上淳
そして、別の日。第3話(記事参照)に登場した、首くくり栲象の国立の家にて、首を吊るパフォーマンスにあっけにとられる村上淳。村上だけ「え? いいの?」という感じで、一人だけどうしていいかキョロキョロしている。ともに観ている山田山下芦田らは一度見ているので耐性があるのだが、村上の困った様子がひしひしと伝わる。
数分首を吊り、パッと地面に降り立った瞬間、偶然だろう、すぐとなりの高校のチャイムが大音量で鳴り響く。息を整える栲象を見つめる村上。彼のための特別授業が始まった。
「これをムラジュンさんに、やってもらいたい」と突然言われる村上。おそらく詳しいことは何も告げられず、ここへ連れて来られたのだろう。
「5分いかなくても3分くらい(首を)吊れるようになるまで、練習してもらえたらな」と切り出された村上は思わず言う。
「……僕、首吊ったことないよ?」そうでしょうとも。
「あ、なので!」「今から訓練をしていただいて」当然のように促す山田と山下。地獄の授業。
戸惑いがおさまらぬ村上が栲象に問う。
「結構、これって吊れるもんですか?」
「ああ、吊れますね」(笑顔)
もう、防波堤の会話だ。ハゼでも釣ったかのような栲象。「集中してやって7年かかった」という。
ここで村上が素直な疑問を呈す。
「僕が吊られてるシーンは栲象さんがやっていただいて、っていうのはダメなんですよね」
それに対し、「吹き替えってことですか?」
「ダメというか、村上さんはそれでいいのかなって」
この言葉に山田の本気を感じ取った村上は、監督がやれというならやると、すかさず決意。縄を受け取る。毎日の鍛錬法として、首吊り実践はもちろんのこと、喉の筋肉を1日1,000回動かすことと言われ、その回数に驚く村上のTシャツには「グッドフェローズ(いいやつ)」と書かれていた。
次週予告「第9話 村上淳、木になる」
相変わらず、エンディングで悪夢などなかったかのようにスイカとそうめんを食べる一同。ここで浄化される。
そして、9話にしてサブタイトルから、山田孝之が消えた。後半にさしかかっても勢いの落ちないどころか、ますます展開が読めなくなる。しかもあらすじ(プロット)もカンヌにあってもなんらおかしくない作り。5月のカンヌに期待が膨らんできてしまう。
(文=柿田太郎)
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