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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 上田晋也が伝えるパラ競技の魅力
熱血!スポーツ野郎

“日テレ・スポーツの顔”上田晋也に期待したい、障害者スポーツの伝え方

日テレ・スポーツの顔上田晋也に期待したい、障害者スポーツの伝え方の画像1BS日テレ『ストロングポイント』番組サイトより

 くりぃむしちゅー・上田晋也の、“日テレ・スポーツの顔”化が止まらない。

 週末の『Going! Sports&News』に、未来のメダリストを取り上げる『上田晋也の日本メダル話』、24日放送の「金曜ロードShow!」枠では、スポーツエンタテインメント特番『人生が二度あれば 運命の選択』で大トリのナビゲーターも務めた。

 そんな上田が関わる日テレ系スポーツ番組で、もっと知られるべきだと思うのが、BS日テレの『ストロングポイント』(毎週土曜17時30分~)だ。上田がナレーションを務める「民放BS初のレギュラー障がい者スポーツ番組」が、この2月末で1周年を迎えた。

 年々、注目度が高まっているパラスポーツということもあって、地上波でも『PARA DO!』(フジテレビ系)や『勇気のシルシ~パラアスリートの挑戦~』(TBS系)といった番組が始まっている。だが、こちらはどちらも5分に満たないミニ番組。その中にあって、毎週30分、一人のアスリートをじっくり掘り下げる『ストロングポイント』は、パラスポーツを知る手がかりとして貴重な存在だ。

 パラスポーツはクラス分けが複雑だったり、個々の抱える障害がどう競技に影響を及ぼしているのか、言葉では伝わりにくい場合も多い。だからこそ、ルール解説から含め、丁寧に競技特性を伝えてくれるのも、この番組の魅力のひとつといえる。

 ただまあ、気になる点もある。良くも悪くも、上田のナレーションだ。どうにも「カッコつけすぎる」のだ。ちょっと想像してほしい。もはや懐かしい「うんちく王・上田」の決めゼリフのときのような、あのドヤ顔をしているに違いないという低音ボイスで番組が始まる。もういきなり重い。そこから少しずつ冗談も交えながら、軽いナレーションに切り替わっていくのだが、番組内容やコンセプトがいいだけに、入り方はもうちょっとどうにかしていただきたい。

 それと比べて、ごくまれにあるロケの回は、もう抜群に面白い。パラアスリートのスゴさを、上田ならではの純粋な驚きで表現してくれる。

 筆者自身、パラアスリートに取材する機会があるのだが、彼ら・彼女らは普段なかなか注目されないからこそ、語りたがりであることが多い。そして、健常者アスリート同様、世界で戦っている選手たちは常軌を逸した「超人性」を秘めている。その「素の部分」と「超人性」を的確に表現できるのは、例えツッコミの元祖ともいえる上田ならではだ。

 特に1月放送のブラインドサッカー回は、その魅力が顕著だった。この回では、上田のほかに横浜F・マリノスの新10番・齋藤学がロケに参加し、上田とともにブラインドサッカーに初挑戦。期待通りのズッコケプレーを見せる上田に対して、齋藤は目隠し状態でも足元の感覚だけでスムーズなドリブルを披露するという、J屈指の技術の高さを見せつける形となった。そして、その齋藤も舌を巻く、ブラインドサッカー選手の「視覚に頼らない空間把握能力」という異能ぶり。ひとつの放送で、パラアスリートとサッカー日本代表の技術力を証明する形となったのだ。

 加えて、齋藤がミスをすると、おなじみ「ぶはははは!」の大爆笑。障害者番組で、ここまで笑いがあふれるのは珍しい。

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