「脱退メンバーも幸せになってほしい」NEWS存続の危機を支えた、小山慶一郎の“包容力”
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09年、NEWSが『24時間テレビ~愛は地球を救う~』(日本テレビ系)のメインパーソナリティに抜擢されたとき、彼は自ら「手話をやらせてほしい」と直訴し、番組内で披露する。それを見ていたプロデューサーが「手話ができるのはすごい。君とだったら報道で向き合える気がする」と、彼を翌10年、新たに始まった『news every.』の曜日キャスターに招いたのだった(当初は木曜日、のちに水曜日にスイッチ)。
事務所の人間からは、キャスターのオファーを受けることについて「本当にいいのか?」と念押しされたというが、彼には断るという選択肢はなかった。手に入れられる武器を手に入れて、グループ人気へフィードバックしようとしたのだ。
もちろん、個人の活動に力を入れているだけではない。危機が訪れるたびに自分の意見をスタッフにぶつけ、またメンバーだけで会議を繰り返し、その都度、絆を強くしてきたといわれている。
その結束力がさらに強まったのが昨年夏、2度目のパーソナリティを務めた『24時間テレビ』だろう。オンエア直前、加藤シゲアキ主演の『盲目のヨシノリ先生~光を失って心が見えた』に出演していた高畑裕太が強姦致傷容疑で逮捕され、小山が代役として再撮に挑んだ。局内で原作者夫妻 を招いての完成披露試写会が開かれた後に事件が起きただけに、スタッフ、さらには加藤らキャストのショックも計り知れなかったことだろう。だが、その穴を小山は十二分にカバーした。そして番組冒頭、彼はリーダーとして「ここまで、いろんなことがありましたけど」とだけ触れていた。
だが「いろんなことがあった」のは、この限りではない。彼らにはデビューから今まで「何もなかったことが、なかった」。だが、それらはすべて、今、輝くのに必要な時間だったのかもしれない。去年のコンサートツアーのタイトルは「QUARTETTO」(カルテット)だったわけだが、今4人は、最高の四重奏を奏でている。これからも、どのグループにも負けない音色を聴かせてほしい。
(文=都築雄一郎)
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