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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 斉藤由貴の娘への愛情が暴走!
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第144回

逃れられない母娘関係の呪縛……『お母さん、娘をやめていいですか?』が描く、“愛情”という名の暴力

逃れられない母娘関係の呪縛……『お母さん、娘をやめていいですか?』が描く、愛情という名の暴力の画像1『お母さん、娘をやめていいですか?』|NHK ドラマ10

「ママには超能力があるんだと思う。だって、離れていても、私が困っているのがわかる」

 時に親友のように、時に恋人のように仲がよい母娘。

 娘は、仕事や恋愛の状況、悩みを逐一報告し、母はそれに丁寧に答えていく。母も娘も、お互いが誰よりも相手が自分をわかってくれる存在だと認め、誰よりも自分が相手のことをわかると自負している。

 そんな蜜月の関係の危うさを描いたのが『お母さん、娘をやめていいですか?』(NHK総合)だ。

 娘・美月を波瑠が、母・顕子を斉藤由貴が演じている。親子役がとてもしっくりくる2人だ。

 斉藤は『はね駒』(1986年)、波瑠は『あさが来た』(2015年)と、ともに朝ドラの主演を演じた2人が同じNHKドラマで母娘を演じているという関係性も面白い。

 この母娘は、ともに朝ドラヒロインのように「善良」な人だ。基本的に明るく前向きで、相手のことを思いやっている。この2人の関係性を、ドラマでは繰り返し描いている。

 たとえば、新築する家の壁紙とフローリングを画像で確認するシーンだ。

「これって、お願いした色?」

と聞き返す母は、頬に手を当て、何やら考えあぐねている。何か不服なことがあるときのクセらしい。

 そんな様子の母を見て、娘は言う。

「思ったより、濃くない?」
「そう、ママもそう思う」

 2人の意向を受け、業者が少し薄い色に替えると、母が満足げな顔をする。

 それを見た娘は、すかさず言うのだ。

「うん、いい! 私、こっちのほうが好き!」
「そう? みっちゃんがそう言うのなら、そうしようか」

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