テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第144回
逃れられない母娘関係の呪縛……『お母さん、娘をやめていいですか?』が描く、“愛情”という名の暴力
2017/01/27 14:10
#ドラマ #NHK #波瑠 #テレビ裏ガイド #てれびのスキマ
『お母さん、娘をやめていいですか?』|NHK ドラマ10
「ママには超能力があるんだと思う。だって、離れていても、私が困っているのがわかる」
時に親友のように、時に恋人のように仲がよい母娘。
娘は、仕事や恋愛の状況、悩みを逐一報告し、母はそれに丁寧に答えていく。母も娘も、お互いが誰よりも相手が自分をわかってくれる存在だと認め、誰よりも自分が相手のことをわかると自負している。
そんな蜜月の関係の危うさを描いたのが『お母さん、娘をやめていいですか?』(NHK総合)だ。
娘・美月を波瑠が、母・顕子を斉藤由貴が演じている。親子役がとてもしっくりくる2人だ。
斉藤は『はね駒』(1986年)、波瑠は『あさが来た』(2015年)と、ともに朝ドラの主演を演じた2人が同じNHKドラマで母娘を演じているという関係性も面白い。
この母娘は、ともに朝ドラヒロインのように「善良」な人だ。基本的に明るく前向きで、相手のことを思いやっている。この2人の関係性を、ドラマでは繰り返し描いている。
たとえば、新築する家の壁紙とフローリングを画像で確認するシーンだ。
「これって、お願いした色?」
と聞き返す母は、頬に手を当て、何やら考えあぐねている。何か不服なことがあるときのクセらしい。
そんな様子の母を見て、娘は言う。
「思ったより、濃くない?」
「そう、ママもそう思う」
2人の意向を受け、業者が少し薄い色に替えると、母が満足げな顔をする。
それを見た娘は、すかさず言うのだ。
「うん、いい! 私、こっちのほうが好き!」
「そう? みっちゃんがそう言うのなら、そうしようか」
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
22:20更新
イチオシ記事
現役ヤクザも視聴する78歳の元山口組顧問弁護士・山之内幸夫が「アウトロー系YouTuber」に大転身した驚愕の理由