アイドルラップの次なる本格派!? “ガチ”で“ドープ”な『E TICKET RAP SHOW』を聞け
#アイドル #ヒップホップ #ラップ #MC内郷丸 #現代アイドルソング学概論
「GOES ON(feat.ようなぴ)」
ニューウェイブ系アイドルグループ「ゆるめるモ!」から、ようなぴが参加。アニメ声でのラップが、いかにもアイドルラップらしい。「偏差値偏差値偏差値偏差値」と連呼する元ネタはなんと、アメリカの人気ラッパーMigosの「Versace」という曲の「ヴェルサーチ」というブランド名の連呼をそのまま真似たのだと本人がインタビューで答えている。
ちなみに、この「ヴェルサーチ」というブランド、この楽曲の影響なのか、やたら最近のラッパーのリリックに登場する。Tシャツ一枚で、僕が一枚にかける20倍近い値段だった。高けえ!
「AS ONE(feat.寺口夏花&山崎愛)」
かなりファンキーでオールドスクールなトラックに、アイドルの女の子のラップがのるという違和感が気持ちいい。「レペゼンお魚/山口愛(まな)だ」というラインは、ヒップホップであればよくありそうな自己紹介リリックの定番だが、妙に韻が固いのと、アイドルの女の子が「レペゼン」と口にするところが不自然でかわいい。
寺口夏花と山崎愛は「sora tob sakana」のメンバー。最近、アイドルファンの間で話題のグループである。
「FIRE LIAR(feat.椎名ぴかりん)」
ビッグビートに合わせてラップするのは、中二病モデルの椎名ぴかりん。タイトルの通り、炎上を恐れる内容の歌詞。彼女は“ファンサービスが過激すぎる”ということで、『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)や『アウトデラックス』(フジテレビ系)といったテレビ番組でもネタにされる存在だ。
全体的にヒップホップのみならず、テクノなどからの引用も散りばめられた高いクオリティのトラックに、ラップするアイドルたち本人の経験や思いをしっかりと反映してつくられたリリック。“リアル”を大切にするアンダーグラウンドのヒップホップにも通じるような、“アイドルのリアル”が見えてくる。
いずれにせよアイドルラップ界の重要人物、E TICKET PRODUCTIONの新たな活動に、今後も目が離せない!
(文=MC内郷丸)
Twitterアカウントは@bfffffffragile
MC内郷丸の「ほんと何もできません」https://synapse.am/contents/monthly/uchigomaru
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