『山田孝之のカンヌ映画祭』第2話 日本映画の現在地と“プロ子役”芦田愛菜が迷い込んだ迷宮
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そのまま向かった日本映画学校で、一般の学生に交じり、カンヌに詳しいという矢田部吉彦の特別講義「国際映画祭への道」を受講する3人。芦田愛菜はしっかりとランドセルだ。
矢田部は「東京国際映画祭」で作品を選定する立場(プログラミングディレクター)だけあって、カンヌにも毎年足を運び、関わりもあるという。
プロジェクターに映るカンヌの情報を一字一句真面目にノートに記す芦田。何色も仕込まれた、きりたんぽ大の色ペンを使ってアンダーラインを引く姿は、おそらく小学生としての芦田だ。
その横で、堂々とプロジェクターを携帯電話で撮る社会人・山下。「カシャ!」というシャッター音が教室に響く。山田は口に手を当て聞き入っている。三者三様の聴講生たち。
カンヌの仕組みなどが語られたのち、フランス人の監督アラン・ギロディ作品の性表現について語られる際、講師の矢田部が口ごもる。
「一瞬、出よっか?」と山下に席を外すように促される芦田。ランドセルを背負い、気まずそうに10歳近く年上の周囲の学生に会釈を繰り返しながら、そそくさと退席する姿が、物悲しい。
しかしこれは芦田のための配慮というよりは、語りにくそうにしていた矢田部講師のための気遣いなのだろう。
その証拠に、退出後すぐに、その芦田の書きかけのノートに、「日本の性描写は不自然」「SEXを描くのであれば、SEXを描け」と山下が身も蓋もない代筆を加える。しかも悪筆だ。(カンヌへの出品は)「誰でも応ぼ可能」と、漢字と平仮名が混じった芦田の丁寧な文字から醸し出されていた、ほのぼのとした紙面のテイストが、激変する。
そんなことは露知らず、ベランダらしき場所で『森は生きている』を読んですごす芦田。
そして、このあたりから、山下が暴走しだす。
講義中の質疑応答にて、作品がコンペに選ばれるためには、ある種のコネも必要だと聞くや否や、その有力者の名前(ティエリー・フレモー)を必死にメモし、赤丸でチェックを入れる山下。
今カンヌで日本を代表する監督として黒沢清や是枝裕和の名前とともに、河瀬直美の名前が挙げられた際、強く「河瀬 要注意」と記し、対抗心をむき出しにする。
あげく、「僕とかは、カンヌでどういう評価をされてたりするんですかね?」と、踏み越えた質問を投げつける。
「それって別に今聞かなくていいんじゃないですか?」と、『赤羽』からの2人の関係において、初めて山田が山下を正論でたしなめる場面も。矢田部講師も苦笑いするしかない。
さらに山下の「ここぞとばかりに感」が止まらない。
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