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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 名脇役たちが仕掛ける、関係性萌え
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第143回

おっさんたちのテラスハウス『バイプレイヤーズ』が仕掛ける「関係性萌え」

 日本のテレビドラマの特徴のひとつとして、役者のパーソナルなイメージが浸透しているというものがある。これは良し悪しがあるが、そのイメージ通りの役柄にすれば、劇中、最小限の説明でその役柄のキャラクターが伝えられたり、逆にイメージと違う役柄を演じさせれば、そのギャップで驚かせることができるという利点がある。その究極の形が、本人役だろう。
 
 そして共同生活は、よりそれぞれの個性や関係性を際立たせるものだ。「関係性萌え」というような言葉があるが、そういった感情を刺激させるシチュエーションだ。

 本作で「中年のテラスハウスかよ」というセリフがあったが、むしろ思い浮かぶのは、アニメ『おそ松さん』(テレビ東京ほか)だ。

『おそ松さん』は、6つ子にそれぞれ強調された個性が与えられ、その個性と個性をぶつけることで魅力的な関係性を構築した。そして、いまやお笑い芸人ではなかなか作れないテレビのコント番組を、アニメで作ってしまったかのようだった。

『バイプレイヤーズ』でも、6人の個性が強調されている。

 繊細で心配性な遠藤、リーダーだけどちょっと頼りなく、思い込みが激しい大杉、エキセントリックで宇宙人のように自由な田口トモロヲ、男っぽいが実は小心者の寺島、我慢と謙虚の人である松重、人懐っこくてみんなに愛される光石、というように。

 彼らは、第1話からさっそくケンカをする。主役であるはずの役所が『七人の侍』のオファーを聞いていなかったことを知り、役所が出ないのであれば降りるしかないという話になったのが発端だった。

「たまにはやろうよ、みんなで主役をさ!」

という大杉の言葉に、寺島が反論したことから光石が失言をするのだ。

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