年末年始にイッキ見したい海外ドラマ5作!
#海外ドラマ #すごドラ!
年内最後の本コラムでは、年末年始にイッキ見できる海外ドラマをジャンル別にピックアップ。王道ドラマから、珍品、名品などなど、多ジャンルをチョイスしているので、気軽にトライしてみてほしい。
●犯罪ドラマ『ブラックリスト』
配信サービスが本格的にドラマ制作に乗り出し、日本で見られるアメリカのドラマの数はうなぎ上り。だが、制作数が増えた分、作品テイストはどんどんニッチ化し、どれを見たらいいかわからないという人も多いのでは? そんな時は、ネットワーク系のドラマの中から、自分の好みを探ってみるのがオススメだ。ネットワークは、日本でいうところの地上波のテレビ局。それだけに、比較的万人にアピールする方向性でドラマを制作する。そういう意味で、王道的なネットワーク・ドラマでありながら、しっかりとした個性を持った犯罪ドラマが『ブラックリスト』だ。
世界中の犯罪者と取引をし、「犯罪コンシェルジュ」と呼ばれるFBIの最重要指名手配者レイモンド・レディントンが、なぜか新米FBI捜査官エリザベス・キーンを指名し、20年かけて集めた世界中の犯罪者の情報“ブラックリスト”を合衆国に提供すると申し出るという本作は、毎回多彩な悪人たちが登場する1話完結的なドラマであると同時に、レイモンド とエリザベスの知られざる関係性と、そこに絡む悪の組織との対決という連続的なストーリーが同時進行していく。ジェームズ・スペイダー演じるレイモンド のミステリアスな人物像がドラマの謎に拍車をかけ、1話完結の気軽さを楽しんでいるうちに、気がつけば連続性のあるストーリーにハマっていけるパターンは、ライトな視聴スタイルにもマッチするだろう。
●ミステリー『THE OA』
7年間、失踪していた盲目のヒロインをめぐるミステリー。ある日、自殺未遂で病院に運ばれた女性は、7年間失踪していた人物だった。7年ぶりに家族の前に現れたその女性、プレーリーは、失踪中の記憶を失っていた。さらに驚くべきことに、生来盲目だった彼女が、戻ってきた時には視力を取り戻していた。世間が奇跡の生還と盛り上がる中、プレーリーは少しずつ失われた記憶を取り戻し、ある目的を果たすために動きだす。
映画『ザ・イースト』の監督・主演コンビが贈るNetflixのオリジナル・シリーズとなる本作は、同社のオリジナル・シリーズ『センス8』的な独特の世界観を持つ。失踪した女性をめぐるサスペンスかと思いきや、次のエピソードではファンタジー、さらに進むとミステリーと、週1ペースの配信なら散漫になるところも、一挙配信のドラマだからこそ見る者を翻弄しつつ引き込んでいく。ヴァイラル狙いの前衛バレエ風のある“動作”といい、率直に言って珍品だが、その奇妙さはクセになる。エンディングに感動するか、ポカーンとするかは人によって大きく分かれるかと思うが、いずれにしても見終わった後に誰かと話したくなること必至だ。
●SFサスペンス『高い城の男』
フィリップ・K・ディックの同名小説をドラマ化した、Amazonのオリジナル・シリーズ。第2次世界大戦でドイツと日本(+イタリア)側が勝利していたら……という歴史改変SFを、リドリー・スコット製作総指揮で描いている。アメリカはドイツと日本で分割統治され、その世界は現実の世界とはかけ離れたものに。ナチス思想と軍国主義に支配された世界は、並みのホラーより恐ろしい。そんな世界の中で、レジスタンスの活動に巻き込まれるジュリアナと、ドイツ側のスパイとしてレジスタンスの活動を探るジョーを中心に、“高い城の男”が撮ったあるフィルムをめぐって、ドイツ、日本、そしてレジスタンスの思惑が入り乱れたサスペンスが展開される。
アメリカドラマの中には、しばしばヘンテコ・ニッポン描写が登場するが、歴史改変のあくまで“if”の話のため、すんなりと作品世界になじんでいる。今の日本とはおよそかけ離れた世界という点ではしっかりとSFだが、その緻密に構築された世界観は、恐ろしいほどのリアリティで迫ってくる。サスペンスとしても一級品で、早くもシーズン2が待ち遠しくなる作品だ。
●ホラー『ストレイン』
映画『パシフィック・リム』のギレルモ・デル・トロ監督が放つ、デル・トロ節炸裂のホラー・サスペンス。冒頭、ベルリンからJFK空港に着陸した航空機内で起こった乗客乗員206名が死亡するという謎の事件では、ウィルスによるパンデミックなストーリーかと思いきや、やがてそれは未知の生物との死闘に発展。ドラマはゾンビ・アポカリプス的な様相を呈し、その生物と人類の隠された戦いの歴史が明かになっていく。サスペンスから、ホラー、SF、アクション、ミステリーと、徹底的なジャンルのごった煮も、デル・トロ風味という味付けによってきっちりとひとつにまとめ上げられ、一気にその作品世界に引き込まれていく。
ストーリーが進むにつれ存在感を増していく、モンスター描写の本気度もスゴイ。「人間は飲み物だ」と言い切るあたりは、いっそすがすがしいほどだ。全般的に陰湿な恐怖よりも、あっけらかんとしたモンスター描写に徹しているので、ホラーが苦手な人でも入りやすいのもポイント。しかしながら、グロ描写が苦手な人は要注意。その物語の終着点がどこに向かうのか、まったく予測がつかないが、ワクワクさせられることは間違いない。
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