ジャニーズ勢がNHKスポーツ番組で大健闘! 2016年のスポーツメディア考
#スポーツ #熱血!スポーツ野郎
リオ五輪のメダルラッシュあり、広島カープの25年ぶりのリーグ優勝あり、長友佑都や福原愛の結婚報道ありと、明るい話題が多かった2016年のスポーツ界。一方で、清原和博の逮捕、野球賭博問題といった物議を醸すネタにも事欠かなかった。それらスポーツの話題や情報を、スポーツメディアはどのように扱ったのか? 特に「2016年ならでは」と感じたエピソードをおさらいしたい。
■SMAP騒動を通じて考える「スポーツ新聞のあり方」
1月のSMAP解散騒動に始まり、大みそかの解散で幕を閉じる2016年。その余波は、スポーツメディアにも大きな影響を与えた。
そもそも、SMAP解散騒動の発信源はスポーツ紙。1月13日付朝刊のスポーツニッポン、日刊スポーツの2紙による「情報解禁」から始まり、以降1月のスポーツ紙1面はほとんどがSMAP独占となった。
もちろん、国民的関心事ということを考えれば、1面独占自体は仕方がないことかもしれない。だが、スポニチと日刊は12日間連続でSMAP1面。それは「スポーツ新聞」としてあんまりだ。毎日、“活字スポーツ”に飢えている読者をないがしろにしすぎではないか?
あるスポーツ紙デスクは「こんなに売れて、注目されたのは久しぶり」と相好を崩していたが、目先の甘い汁に溺れて本分を忘れてしまうようでは、コアなファンすら失いかねない。
■NHKスポーツもジャニーズ勢が浸食!?
これまで、スポーツバラエティのMCやオリンピック民放キャスターなどに抜擢されることが多かったジャニーズ勢。今年のリオ五輪でも、TBSでSMAPの中居正広が、日本テレビで嵐の櫻井翔がキャスターを務めた。
そして今年、これまでその聖域を守ってきたNHKスポーツでも、ついにジャニーズ・キャスターの就任を許してしまった。NHK総合では、嵐の相葉雅紀が『グッと!スポーツ』のMCに就任。パラリンピックではジャニーズ俳優・風間俊介が現地キャスターを務め、V6の三宅健がハイライト放送『みんなで応援!リオパラリンピック』のメインパーソナリティに就任した。
ただ、さすがはNHK。番組作りにおいてはジャニーズありき、ではなく、アスリート目線、小池百合子都知事の言うところの「アスリート・ファースト」を徹底していた点は好感が持てた。また、風間は以前からEテレの福祉番組『ハートネットTV』でMCを務め、三宅にしても『NHK みんなの手話』でナビゲーターを務めるなど、障害者とパラスポーツに対しての「視点」を持っていたため、コメントにも説得力があふれていた(参照記事)。
民放でも同様に、タレントありきではなく、企画ありき、スポーツありきの番組作りが広がれば、「またジャニーズか……」と見る前から拒否反応を示す層も減るのではないだろうか?
■ゾクゾク開始。パラスポーツ番組がアツい
2016年の「メディアとスポーツ」の関係性で、大きく比重が増えたジャンルがある。それがパラスポーツ番組だ。これは、リオパラリンピックを盛り上げるため、という側面以上に、2020年への先行投資の意味が大きい。
BS日テレではくりぃむしちゅー・上田晋也がナレーターを務めるスポーツドキュメンタリー『ストロングポイント』が2月にスタート。大みそかには特別篇も放送される力の入れようだ。
また、ラジオのニッポン放送では10月から俳優・鈴木亮平が障がい者スポーツの世界を掘り下げる『鈴木亮平Going Up』がスタート。2018年のNHK大河ドラマ主演が決まった鈴木とあって、今後ますます注目を集めそうだ。
地上波でも、5分弱の短い枠ではあるものの、フジテレビ系でパラスポーツ応援番組『PARA☆DO!』、TBS系で『勇気のシルシ〜パラアスリートの挑戦~』といった番組がレギュラーで放送されるなど、パラスポーツを取り上げた番組はほかにも多い。これらの番組の中から、人気企画や注目アスリートが出てくる可能性もあるだけに、2017年もその広がり・盛り上がりを大いに期待したいジャンルだ。
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