トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 連載・コラム > 週刊誌スクープ大賞  > 蔓延する“ステマ”疑惑の真相とは
週刊誌スクープ大賞

TBS系放送局の「R-1乳酸菌」だけじゃない!? テレビ界に蔓延する“ステマ”疑惑の真相とは

 第4位。ツムラという漢方薬大手企業がある。かつては入浴剤のバスクリンで当てたが、多角経営や創業者一族の元社長による特別背任事件によって倒産寸前までいった。だが、漢方薬に特化した製薬会社として再出発し、昨年度の売上高1,126億円という大復活を遂げている。

 私もここの「葛根湯」は風邪の引き始めに効くと愛飲している。新潮は今年7月に役員会議で配られた内部文書を入手したという。

 その文書は、中国産の生薬原料からツムラが使用許可を出していない農薬が検出されたため、再発防止を図るために今後どのような対策を取るべきかが書かれているという。

 ツムラは、栽培手順や使用許可農薬の徹底、万が一の時には医療機関から原料生薬生産地まで遡れる生薬トレーサビリティ体制、生産団体の監視も行うという3本の柱があるという。

 だが、ツムラの幹部の話では、製造する漢方薬の原料は国内とラオスでもわずかに栽培されてはいるが、8割はあの中国で栽培されているというのである。

「誰が作ったのかを把握している農民は全体の約55%で約1万人。つまり、残りの1万人の生産者は誰かも分からなければ、農民たちがどんな栽培を行っているのかさえ、不明なのです」(ツムラの幹部)

 さらに衝撃的な一文が書かれていた。

「自分の家族に飲ませることができる生薬を供給する」

 おいおい、自社の家族には飲ませられない薬を売っているのか?

 新潮が広報担当者を直撃すると、こう答えた。

「この一文は、生産者としての意識向上、動機づけとしてのスローガンなのです」

 2005年に農薬の不適切な使用が発覚した際、中国の農民にどうすればわかってもらえるかと考え、この表現が家族を大事にする中国人が腑に落ちるということでつくった。したがって日本の社内向けではないというのだ。

 だが社の3本柱の重要な一つ、トレーサビリティが確立していなかったというのは、ツムラの信用を落とすのではないか。

 また、こうした内部文書がメディアに流れるというのは、社内で権力闘争が起こっているのではないのだろうか。

 再び、昔のような不祥事が起これば、ツムラは二度と立ち直ることはできないだろう。

 ステマ番組とは、広告料金をもらいながら、それを隠して、あたかも独自で探し当てたような番組を作ることをいう。

 昨年9月に、TBS系列のローカル局「IBC岩手放送」が、明治から広告料金をもらってR-1乳酸菌がインフルエンザ予防に効くなどと放送し、番組審議会で問題になった。

 R-1乳酸菌といえば、私もときどき飲む明治のヨーグルトであるが、局の幹部が事実を認め、番組で用いた素材も明治から提供を受けたと“自白”したという。

 これは当然ながら放送法で禁じられているが、新潮が調べたR-1乳酸菌を扱い、明治の名前が出て来ない番組は、IBC放送後も全キー局にわたってあったそうである。

 私はあまり見ないが、テレビではコンビニやスーパーを取り上げ、そこで売っている商品を製造過程から事細かに紹介するような番組が多くある。

 ひな壇に並んだお笑い芸人たちが「メチャスゴ~イ」「おいしいそう」などと出来レースで驚いてみせるが、あのような番組もステマではないかと、私は睨んでいる。

 茶の間の視聴者も、漫然と見ているだけでなく、ステマかそうではないのか見分ける厳しい目が必要だろう。

1234567
ページ上部へ戻る

配給映画