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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『IQ』に全力でツッコんでみた

7.8%ショック! 最終回で視聴率急落の『IQ246~華麗なる事件簿~』に全力でツッコんでみた

 要するに、何もわかりません。射殺許可命令は御前様によって解除されましたが、結局警察は一度も沙羅駆を撃ちませんでした。マリアTの無線割り込みで一度、誤った命令が流れて奏子が撃たれただけです。それなのに、身代わりになった賢正には、けっこう躊躇なく引き金を引いていました。怖いです。

 案の定、マリアTは死んでいませんでした。倒れた直後に沙羅駆が賢正に胃洗浄を命じ、生き延びました。「生きる意味、生かす意味がわからんお前ではあるまい」と沙羅駆は言いますが、わたしはわかりませんでした。

 まあでも、ここまではいいかなーと思っていたんです。いつもの『IQ246』だなーと。急ごしらえで辻褄が合わないことは、これまでも多々あったので、ほほえましかったんです。

 最後の落とし前として、沙羅駆とマリアTの対決の結末くらいは、ちゃんと用意されてると思ってたし、それさえ納得できるものであれば、チャラにしようと思っていました。

 沙羅駆は、生き残ったマリアTに、自ら開発したというネックレスをプレゼントします。このネックレスは、悪意や殺意のパルスを判断し、それに反応して「IQを下げる」マシーンだそうです。「犬並みにな」と、沙羅駆は自慢げです。

 なんだそれ……。なんだそれ!

 仮にも「知性」をウリにしてきた作品で、人為的に「IQを犬並みに下げる」機械を登場させるという、この反知性的で暴力的な創作行為。

「おまえが誰かを殺したいと思ったら、その瞬間にモノを考えられないくらい頭を殴る」

 というのと、まったく同じですからね、これ。知性による暴力と人権侵害を肯定してしまったわけです。IQ246の天才人間には人を裁く特権があると、そう言い切っているわけです。それまで延々と「人は」「世界は」「仲間は」と並べてきた御託が、いかに欺瞞であったかを最後の最後に白状して、『IQ246』は幕を閉じました。そりゃ2人の会話が頭に入ってこないわけだわ。ひどいドラマだわ。ひどいわ。醜悪至極だわ。

 織田裕二は終始、孤軍奮闘、面目躍如。ここまで中身のないセリフに顔面と声の圧を乗せて、魂を込めて演じていたと思います。本物のプロの俳優の姿を見ました。

 そしてやっぱり、それでも続編が見たいと思うんですよね。ちゃんと作ったら、絶対おもしろいと思うんですよ、この作品の設定とキャストなら。ね。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

最終更新:2016/12/19 20:00
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