
『ローグ・ワン』『キングスグレイブFF15』に見る、「不気味の谷」をめぐる戦い
#オワリカラ #偏愛文化探訪記
もうひとつ、日本での試みとしては、フルCG女子高生キャラクター「Saya」がある。
これは石川晃之さん、有香さん夫妻という、個人ベースで作られたフルCGのキャラクターだ。このSaya、公開されたのは昨年で、その段階では「不気味の谷」を越えられていなかったという印象を受けた。やはりCGだ……という不気味さ、不自然さがあった。
しかし、今年公開された最新版ではさらにアップデートされ、ほとんど実写にしか見えないレベルにバージョンアップしていた! しかも、最新版は動く! 日本人やアジア人の顔、というのは彫りが深い他の人種の顔に比べて情報量が少ないので、フルCGで描くのがさらに難しいといわれている。個人レベルでこのクオリティ、門外漢ながら脱帽です。
石川夫妻は、不気味の谷を越える長い攻防戦に、ついに「勝ち」の光明を見いだしたのだ。
というわけで、これから町中で、テレビで、ネットで、そして映画館で。フルCGの人物を目にする機会はどんどん増えていくだろう。中には、まだまだ「不気味の谷」に落ちていくキャラクターがたくさんいるだろう。その時に、その不気味さの裏に「不気味の谷」を越えるための熾烈な攻防戦が今も行われていることを頭の片隅でも思ってみると、面白いんじゃないかな。
僕は「不気味の谷をめぐる戦い」を知ってから、谷を越えるために奮闘している世界中のCGクリエイターの目に見えぬ、記録に残らぬ努力に、想いをはせるようになった。そして、そのCGが「不気味の谷」を完全に乗り越えて、まったく実写と区別がつかないようになった時(それはそれで怖い世界だが)、僕は、誰にも言わず、心の中で彼らに鳴りやまない拍手を送るつもりだ。
【追伸】
最後にちょこっと『ローグ・ワン』のネタバレをした。まだ見てない人は、ここから先を読まないでほしい。
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『ローグ・ワン』の最後に登場した「あの人物」。あれも代役の役者さんはいるが、顔はCGとのことだ。これは本物にしか見えなかった!
●タカハシ・ヒョウリ
“サイケデリックでカルトでポップ”なロックバンド、オワリカラのボーカル。たまにブログでつづる文章にも定評あり。好きなものは謎、ロック、歌謡、特撮、漫画、映画、蕎麦。
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