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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 月9史上最低で、山田涼介は“損”

フジテレビ『カインとアベル』7.9%! 月9史上最低で、山田涼介は“損”をしたのか

kain1213フジテレビ系『カインとアベル』番組サイトより

 フジテレビ月9『カインとアベル』も、第9話。次回が最終回になりますが、今回の7.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)もあわせて、月9史上最低視聴率は確定的です。かつて栄華を誇った月9も、今年の4本はすべて1ケタ。もはやブランドは完全に崩壊していますので、役者さんや事務所さんの“フジテレビ離れ”が、ますます進みそうです。実際、明けて来年1月クールの月9なんて、出演者どころか企画も発表されてないですしね。ものすごく難航しているようです。

 とはいえ、4月期『ラヴソング』の福山雅治なんかは、出演したことで「損した損した」といわれてますけど、今回の主役であるHey!Say!JUMP・山田涼介に限っては、そうでもないと思うんです。いろんな事情でこの仕事が舞い込んだんでしょうけれど、もともと月9の主演を張るような格じゃないし、逆に多くの視聴者に顔と名前を覚えてもらえたんじゃないかと思います。しかも「けっこうやるじゃん」という印象とともに、です。

 前回の第8話で、副社長の兄・隆一(桐谷健太)を「高田(総合地所)のため」という理由で放逐した優(山田涼介)くん。メキメキ出世していく優くんに嫉妬した隆一が社長室や役員室に盗聴器を仕掛けたのがその理由ですが、陰でこっそり「兄貴、バレてるよ」と言ってやればいいのに、いきなり役員会で告げ口するあたり、権力にのぼせ上っているさまがよく描かれていました。

 今回は、そんな優くんの大暴走と、その結末が描かれる回でした。

 父・貴行社長(高嶋政伸)とともに隆一の残した仕事を仕分けする優くんは、残務ボックスの中に、ひとつの古ぼけたファイルを見つけます。「新宿第二地区開発事業」と書かれたその仕事は、父の父である宗一郎会長(寺尾聰)の代から、俎上に載せては却下されてきたプロジェクトだそうです。聞けば、兄・隆一も一度はチャレンジしようとしたものの、リスクが高すぎるため断念しているとか。

「兄貴があきらめた仕事ですね」
「これ、俺が担当したいと言ったら?」

 優くんの目が光ります。このドラマ、7話までは山田涼介がキラキラに輝くアイドルドラマだったので、仕事を成功させて目を輝かせるシーンでも「キラッ☆」と輝いてたんです。でも今回は「ギラリ……」と光るんですね。まあニュアンスなんですけど、無邪気に一生懸命働いていたころと、権力に巻き取られてモンスター化した冷徹ビジネスマンの今の表情を、しっかり演じ分けてる。若干厚化粧ではあるものの美しい顔面に、選ばれし者の恍惚と不安が内包されてる。山田涼介けっこうやるじゃん、と思いましたよ。

 このプロジェクトは土地の権利関係が複雑で、まともに接収しようとすれば莫大な時間と費用がかかるし、裏から手を回せば高いリスクにさらされると貴行は言います。手を出すな、社長命令だと。

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