マニアックすぎ!! ネタの「狭さ」で勝負をかけるNHK『球辞苑』とフジ『スポーツの神様たち』
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野球という競技は、プレーや試合の価値を「技術」「データ」「歴史」「キャラクター性」など、さまざまな側面から語り合えるのが魅力のひとつだ。そこで『球辞苑』では、「技術」については解説者と現役選手が、「データ」についてはアナリストが、「歴史」は野球ライターが、「キャラクター」は徳井とリポーターのナイツ・塙宣之が……といった具合にうまく役割分担がなされていて、にぎやかしの女性タレントなどひとりもいないが、見ていて飽きることがない。
そして、取材VTRがまた見どころばかりで、名言もよく飛び出す。稀代の名捕手・野村克也が語った「クイックモーション開発秘話」は、さながら同局の『プロジェクトX~挑戦者たち~』のようだったし、世界の盗塁王・福本豊がいたからこそクイックモーションは生まれた、として語った「ライバルこそが最大の功労者」は、さすがの野村節だ。
今後の放送予定はというと、明日12月10日が「外野手の補殺」。以降、「リード(離塁)」「ホームランキャッチ」「ファウル」「球持ち」……と渋すぎるラインナップが続く。このままブレずに続いてほしい。
この『球辞苑』同様、「狭さ」勝負を挑んでいるのがフジテレビ系『村上信五とスポーツの神様たち』だ。この秋から新企画「○○だけで30分」がスタート。「他のスポーツ番組ではぜったいに扱わないネタだけで構成。果たしてこれで30分持つのか!?」というコンセプトで、ここまで「ヒーローインタビュー」「胴上げ」「ユニフォーム」「ロッテファン」の4回を放送。ひな壇のタレントの数も少しずつ減らし、洗練度も増してきている。
『球辞苑』がどちらかといえば、データと理論、VTRが中心とすれば、『スポーツの神様たち』はパッションとエピソード重視。「ロッテファン」の回では、熱狂的ロッテファンとして知られるリットン調査団・藤原光博がプレゼンター。地上波は4年ぶりの出演だったというが、タレントありきではなく、企画ありきだからこその人選は好感が持てた。
にぎやかしばかりの特番が続いて、食傷気味になりそうな年末年始。コツコツと地道な企画を積み重ねるレギュラー番組たちの狭くて深い魅力も、ぜひとも味わってもらいたい。
(文=オグマナオト)
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