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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 話題の「女版・栗原類」モデル直撃

話題の“ネガティブすぎるモデル”長井短 「自意識」の長い旅路と、「友達」へのハンパない想い

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――中学時代は、何にハマっていましたか?

長井 『SCHOOL OF LOCK』(TOKYO FM)というラジオ番組ですね。周りの友だちはたいていテレビを見ているし、ジャニーズが好きだけど、私はラジオ。その自尊心がヘンなふうなっちゃって、当時オレンジレンジがはやっていて、実は私も好きだったんですけど、それよりもラジオでかかる曲のほうがいいとか言ってました。

――オレンジレンジを好きとは言いづらかった。

長井 そう、嫌なヤツですよね(笑)。

――いや、なんの音楽、なんの映画が好きかって、自分をどう見せるかにおいてすごく大事でしたよね、その時代は。

長井 映画も、最初は普通に『STAR WARS』が好きって言ってたんだけど、それもちゃんと伝わってないなって感じがして。ちょうどその頃、「CUT」(ロッキング・オン)の表紙の裏広告に、たまたま「トッド・ソロンズ」っていう監督の作品が載ってて、まったく知らないけど、なぜか心惹かれて、ずっと見たいと思ってました。

――「好きな映画は『STAR WARS』」のちゃんと伝わっていない感じを、「トッド・ソロンズ」で解決できるかもしれないと。

長井 はい。中1でようやくTSUTAYAカードを作れるようになり、栄えある初回レンタルがトッド・ソロンズ。ようやく見ることができたんですけど、ただ一般的に中学生が見るような毛色の映画ではなかった。

――自意識の長い旅路ですね……。

長井 まぁ、満を持して「好きな監督はトッド・ソロンズ」って言ってみたわけですけど、友だちは「何言ってるかわからない」と。こっちも不正解だったようです。

――今はどうですか? 好きなものは好きと言えるようになりました?

長井 いや、大人になるにつれて、逆の現象が出てきたんですよ。高校に入って「ウディ・アレン」が好きになって、高校生のときは「ウディ・アレン好き」って素直に言いまくってました。でも、大人になってから「ウディ・アレン好きって女も、それはそれでちょっとウザいかも」って思い始めて、それも言いづらくなってしまった。なんか同じ流れで「岩井俊二好き」も言いづらいんです。

――あぁ、わかります(笑)。

長井 ありますよね。あの世界観が好きって言うと、ちょっと嫌な女っぽいというか。もう逆の逆で『ムカデ人間』とか言えばいいのかなって思ったんだけど、それはそれで狙いすぎっぽいし、いまだにちょうどいいところが見つかってない。

――(笑)。長井さんは役者業もされていますが、それも映画への興味から始まっているのですか?

長井 やっぱりジェダイになりたかったので、役者になればそういう役もやることができるのかなって、そこからです。お芝居はすごくやりたいとずっと思ってました。ただラジオにハマっていたので、ラジオDJもいいなと思っていました。

――ラジオDJって、タレントさんともアナウンサーさんともちょっと違う、絶妙なところですね。でも考えてみれば、役者業って、思いっきり人前に出るものですよね。そこに対する抵抗はなかったんですか?

長井 それはなかったです。私、小1から中3までずっと合唱をやってたんですけど、年に1回ミュージカルがあって、舞台に立つこと自体はわりと慣れていました。だから演劇は大丈夫なんですけど、ただ……バラエティ番組とかは、「私で~す」ってなるじゃないですか。

――「私で~す」(笑)。

長井 その「私で~す」を私がやったところで誰も興味ないだろっていう、そこに対する抵抗はすごく強いんです。誰かが書いた役柄だったら、その作家さんが好きな人たちがいるから、ちゃんと需要がある。その人が書いたものを私が代わりに言わせてもらってます、っていうので少し安心するんですけど。「私」には興味ねぇだろって。

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