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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 『ドキュメンタル』何が新しい?
テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第141回

松本人志が作る『ドキュメンタル』という新しい“笑いの戦場”

 このメンツをひとつのルールで競わそうと思ったら、確かに『ドキュメンタル』のように「無法地帯」で、ただ相手を笑わせたら勝ちというルールしかないだろう。

 たとえば、藤本のガヤ的なツッコミは、ネタの賞レースでは評価されにくいが、このルールでは強力な武器になりそうだ。だが、藤本に限らず、笑いの精鋭たちの多くには共通する“弱点”がある。

 それは“ゲラ”だということだ。すぐ笑ってしまう。相手を笑わすことに長けた人間は、笑いどころに敏感である。ちょっとした相手の言動に、普通では気づかないおかしみを察知してしまうのだ。だからこそ、それをツッコんだり、ボケに転用できたりするのだが、このルールでは、笑ってしまったら、その時点で失格だ。

 実際、開始十数秒で、ほとんどみんなが笑ってしまい、一度仕切り直しになってしまったほど。そこに難しさと面白さがある。

 たった一度笑っただけで、100万円という大金が奪われてしまう過酷な精神状態の中で、本当に笑ってしまう笑いとはどんなものなのか? おそらく、大きなボケよりも、なにげないちょっとしたことではないかと予想するが、果たしてそうなるのか?

「テレビでは視聴率は取れない、伝わらないだろう」と松本は言う。Amazonプライムビデオという限定された場所で、戦う場所も密閉された空間だ。だからこそ、笑いがいかに奥深く、そして幅広い自由なものであるか証明されるはずだ。
(文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/

「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

最終更新:2019/11/28 19:46
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