トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 楽しさを失った『IQ246』

本当に“醜悪至極”なのは誰だ? 楽しさを失った『IQ246~華麗なる事件簿~』を見続けるのが、もうキツイ

iq1128TBS系『IQ246~華麗なる事件簿~』番組サイトより

 日曜劇場『IQ246~華麗なる事件簿~』(TBS系)は、佳境となる第7話を迎えました。視聴率も10.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、依然2ケタキープ。それなりに好調のように見えますが、このまま追いかけるのが「そろそろキツイ」というのが正直なところです。

 まず、ここにきて主役である法門寺沙羅駆(織田裕二)のキャラ芝居が、だいぶおとなしくなってしまいました。思えばこのドラマが発表された際、あまりに素っ頓狂なしゃべり方だった織田裕二に「『相棒』の水谷豊のパクリじゃねーか!」などと盛り上がったのが懐かしいです。もうね、完全にフツーですよ。フツーの織田裕二。顔が黒いだけ。ここまで織田裕二が完全におかしかったので、細かいカット割やしつこく挟み込まれる小ネタが緩和されていましたが、今回、そのうるささがすごく目立ちました。

 また、当初からさんざん引っ張ってきた“すべての事件の黒幕”マリア・Tが、死体マニアの監察医・森本(中谷美紀)であることが明らかになりましたが、この種明かしが実に中途半端。毎回「森本かも」「森本っぽくね?」「森本なんじゃないの?」と、ほのめかして、ほのめかして、そのままなんのヒネリもなく「森本でしたー」って言われても、ねえ。そりゃそうでしょうよとしか言えないよね。

 肝心の事件についても今回は、いつにも増してアレでした。ストーカーからの脅迫状に悩むベテラン女優が、若いだけが取り柄のバカ大根女優に男と役を奪われて殺すわけですが、実はベテラン女優にはストーカーなどおらず、自分で自分に脅迫状を送っていたことが明らかになり、しかし本当にストーカーがいたので解決できたという、そういう事件です。ちょっと何を言ってるかわからないと思いますが、実際にそういう脚本だったので、これはもう仕方がない。

 マリア・TのIQは300だそうです。沙羅駆はタイトル通りIQ246です。そういう、誰の想像も及ばないような知的な戦いが行われているようには、どうしても見えないんですよね。ドラマ開始以降、一事件、一推理たりとも、そう感じさせないんです。レイザーラモンHGの腰振りが速すぎてゆっくり見えるみたいに、高度すぎてバカ事件に見えてるんですかね。

 ちなみにマリア・Tは犯罪コンサルタントで、全身整形して森本に成りすましていたんだそうです。「本当の森本」というのが他にいるのか、あるいはマリア・Tが最初から「森本」という人物を偽装して警察に入り込んだのか、そのへんはよくわかりません。ともあれ、沙羅駆は森本がマリア・Tであることは気づいていたそうです。証拠がないから言い出さなかったんだって。これ、大問題ですよ。この「沙羅駆は森本が黒幕だと知っていた」という事実を持ち出したことは、このドラマにとって致命的な瑕疵だと思います。

12
ページ上部へ戻る

配給映画