ダイヤモンドの「ヤクザと共生」記事は暴力団礼賛? 地元・神戸や専門家の声は……
#暴力団 #闇社会 #山口組
本拠地で嫌われないように配慮をしているだけ、というようにも思えるが、ヤクザ事情に詳しい作家の影野臣直氏は「ヤクザの原点はそこ」だとする。
「もともとヤクザは地元の人たちに尽くして当たり前。昭和の時代、ヤクザの親分が地域の祭りや商売を仕切る町の名士だったんですから。市議会議員になった組長もいたほどですからね。ヤクザよりも時代の方が変わっていったのでは。ダイヤモンドの記事も変な話ではないですよ」(影野氏)
神戸在住の50代男性も「ヤクザとどう付き合うかは、地域それぞれスタンスがあるんです。ここに住んでいない人に、神戸の住人にとっての山口組の賛否を決めてほしくない」とする。
一方、国家公安委員会が認定する民間グループの全国暴力追放運動推進センター(暴追センター)からはこんな声も聞かれる。
「地元住民への配慮は下心ですよ。警察は近く、抗争が続く山口組と神戸山口組に特定抗争指定暴力団に指定をする動きがあって、暴力団側はこれを回避したい狙いがあるんですよ」と同センターの職員。この指定は、暴力団が抗争状態になり、市民に危機が迫っていると認められた場合、警戒区域内では組事務所の新設や対立組員や事務所への接近などが禁じられるほか、仲間内でが5人以上集まっただけで即逮捕できるもの。
「でも、分裂から1年以上が経過して延べ400人近くの組員が逮捕された状況ですからね。こんなタイミングで“愛される山口組”なんて記事を出すのは、書き手がヤクザに取り込まれているとしか思えませんね。せっかく暴力団排除の機運が高まっているのですから、それに逆行する記事には不快感を覚えます」(同暴追センター関係者)
全国で起こっている暴力団関係者の事件を調べ上げると、ほぼ毎日のように発生しているのがわかる。そのため国内の暴力団排除の流れを止めることは難しく、一部で共生の道があったとしても、ごく少数派となってしまうのは仕方のないことだろう。
(文=ハイセーヤスダ/NEWSIDER Tokyo)
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