見た目も性格もブスなのに、気になって仕方ない!『トモちゃんはすごいブス』
#マンガ #コミック #ザオリク的マンガ読み
その後は、セクシードレスを着てリング上で女同士が闘うキャットファイトをしたり、AKB48風の格好をして独身の男の家に上がり、セクシーダンスのバイトしたりするのですが、とうとうデリヘルまで行き着きます。
このまま世間知らずの女の子がだまされて、最後にはソープに沈められる『闇金ウシジマくん』のような話になってしまうのかと思いきや、トモちゃんが最後の一線は超えないようにしっかりサポートしていたのです。
ちなみに車谷は、お金に困っている女の子にボランティアで仕事を斡旋してあげており、一見すると善人のようですが、実は女の子たちを盗聴・盗撮している変態クズ野郎なのです。
そのほかにも主要キャラクターで、日比歯科の日比陽介先生というキャラクターがいます。歯科医でお金持ち、優しくて腕が良くてイケメンという、誰が見ても完璧な男子です。トモちゃんは、日比先生とチコちゃんをくっつけて玉の輿に乗らせようと画策するのですが、日比先生はむしろブス女のトモちゃんに興味津々。トモちゃんを縄で縛って襲いたい、という願望を持っていました。実は、日比先生は相手を縄で縛らないとエッチができないという、性奴隷大好き変態クズ野郎だったのです。
そんなわけで、登場人物がみんな何かしらの心の闇を抱えている作品ですが、なんといっても本作品の最大の謎は、ブス女・トモちゃんの正体です。トモちゃんの情報は秘密のベールに包まれているものの、作品後半に行くに従って少しずつ明らかになっていきます。チコちゃんをかいがいしく助けようとする真の目的や、トモちゃんの本名(白鳥朋美は偽名)、そして……
「アタシは生きている限り、罰を受けないといけないの……」
「アタシは悪人で罪人なの、そしていずれそれに相応しい人生の幕引きをするわ……」
などと言いだすほどに重い十字架を背負っていることなど、そのミステリアスな魅力にくぎ付けにさせられます。あんなにブスで性格が悪いのに、彼女の真の姿が気になって仕方がない。読んでいるうちに、なんとも不思議な感情が芽生えてくるのです。
というわけで、『トモちゃんはすごいブス』、最初はつかみどころのない、病んだ人ばっかり出てくるひどい話だなと感じるかもしれませんが、最終巻まで読むと、これ映画化してもいいんじゃない? というような感動的なラストが待っています。きっかけは「タイトル買い」だったとしても、読み始めた以上はすべての謎が解けるラストまで読みきらないもったいない、そんな奥深い作品です。
(文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)
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