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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 漫画『トモちゃんはすごいブス』
じゃまおくんのザオリク的マンガ読み

見た目も性格もブスなのに、気になって仕方ない!『トモちゃんはすごいブス』

「ジャケ買い」という言葉があります。予備知識なしで、CDのジャケットや本の表紙を見ただけで買ってしまうというアレですが、今回は思わず「タイトル買い」してしまいたくなる作品をご紹介しましょう。

 その名も『トモちゃんはすごいブス』。ものすごくストレートに女子を誹謗していますね。こんなタイトルなのに、単行本の表紙が美少女というところもミステリアス。一体どんなドブスが出てくるのか、気になって気になって、悩んだ挙げ句げに、つい手に取ってしまう……そんな作品です。

『トモちゃんはすごいブス』の作者は森下裕美先生。森下先生といえば、アザラシのゴマちゃんでおなじみの『少年アシベ』のような、ほのぼのした作品をイメージする人も多いのではないでしょうか。『トモちゃんはすごいブス』も絵柄は森下先生らしくかわいらしいのですが、内容はドス黒く、登場人物はことごとくメンタルを病んでおり、ゴマちゃんが黒ゴマちゃんになってしまうレベルのダークな話になっています。

 主人公は「河口チコ」という20歳の女の子。物語は、チコちゃんの唯一の肉親だった父親の葬式シーンから始まります。その後、中学の頃からずっと引きこもりで生活力のない自分に絶望して、自殺を思い立つチコちゃん。……いきなり暗い話ですね。

 疲れ切って、自宅でいつのまにか寝てしまっていたチコちゃんが目を覚ますと「ごっついオバケ」のような顔をした謎の女が朝食を作ってくれていました。

 このオバケのような顔をしたすごいブス女が、白鳥朋美こと「トモちゃん」です。トモちゃんはチコちゃんの父親と生前に携帯サイトを通じて知り合い、「チコちゃんと仲良くしてくれ」と頼まれていたとのこと。なんだか、いろいろとうさんくさい登場の仕方です。

「アタシが助けてあげるから、今日から一緒に生活しましょう」

 突然チコちゃんの前に現れたトモちゃんは、半ば強引に、抜け殻のような状態のチコちゃんが自立できるようにいろいろとサポートしてくれます。これはまさに、のび太君に対するドラえもんのようなポジションといえます。言うなれば「ブスえもん」です。

 しかし、チコちゃんのダメさ加減はハンパではなく、スカウトされたキャバクラの仕事は1日でクビ。ビル清掃の仕事も、ハードすぎて、すぐにへたり込んでしまいます。そんなこんなで、仕事がどんどん限定されていく中、車谷という青年に出会います。車谷はボランティアで風俗の仕事を斡旋しているという謎の青年で、チコちゃんは車谷に言われるがまま、いろいろと怪しげなバイトにチャレンジしていきます。

 最初はビデオ屋の店員です。ただし、ミニスカポリスや幼稚園児のコスプレをして、高いところにあるビデオを脚立に乗って取ってあげないといけません。なんで脚立に乗らされるのか……エッチな深夜番組を見て育った男性諸君なら、おわかりですよね?

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