芸能界のドン・周防郁雄氏は控えめな男!? 気鋭のノンフィクション作家も、レコ大買収騒動には迫れず……
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
ポストは、外務省と公安が追いかけているという日本人男性(69)が、イスラム名を名乗り、武器を持って過激派と行動を共にしているという情報があると報じている。
この男は、2010年にフィリピンでイスラム過激派に拉致された人物の可能性が高いというのである。
日本に妻子がいたが、フィリピンで現地の女性と結婚し、貿易やレンタルビデオ店を経営していたという。その後、ミンダナオ島に移り、鍼灸診療を行う店を開業したが、04年頃に消息を絶ったそうだ。
以前、イスラム教が好きだと言っていたという。入手した写真では、戦闘服を着てカラシニコフを構え、精悍な顔つき。
ベトナム戦争のころは、日本から志願して米軍に入った日本人もかなりいた。イスラム過激派になった日本人がいてもおかしくはないが、なぜ戦闘員になったのかを聞いてみたいものだ。
新潮が、プーチンロシア大統領が訪日するとき、安倍首相が、自分の贔屓の地元・山口県長門市にある老舗旅館「大谷山荘」を使うのは、「故郷に錦を飾りたいだけ」(政治評論家・森田実氏)だと批判している。
だがこの旅館、創業から135年、天皇も泊まったことがある名門旅館で、それにしては平日朝夕食付きで1人1泊2万円前後だというから、比較的リーズナブルだと思う。
いいではないか、故郷に錦を飾るのは。こんな言葉は今では死語に近いが、「少年よ、大志を抱け」と同じく、忘れてはいけない言葉だと思うよ。
同じ新潮が、日銀黒田総裁の「失敗」を取り上げている。任期中に物価上昇率2%は達成できないと黒田総裁は白旗を掲げたが、ゴメンで済む問題ではない。
何しろ「10月31日の時点で日銀が抱える長期国債の銘柄別残高は348兆4,117億円」(シグマ・キャピタルの田代秀敏チーフエコノミスト)にもなるのだから。
日銀には7兆円以上の自己資本があるが、「これを含み損に補填したとしてもまだ追いつかず、現状では差し引き約1兆7,000億円の債務超過になっている」(同)という。
数字を見ているだけで気の遠くなる金額であり、インフレになって銀行間の取引金利を引き上げ、物価を抑制しようとしても、政策金利を1%上げただけで3兆円の金利を日銀は払わなければいけないそうだ。
そうなると、手持ちの自己資本など2~3年で消えてしまう。私には何のことかさっぱりわからないが、黒田日銀の大失敗は日本経済に暗い影を落としたことだけは間違いない。昔なら、切腹ものだ。
文春が報道した「レコ大」大賞をカネで買ったというスクープは、ほとんどのメディアがダンマリを決めているが、11月7日にTBS本社で今年のレコ大の2度目の審査会が行われたそうだ。
だが、この問題を調査しようという声は上がらず、今年も、バーニングプロダクション周防郁雄氏の息のかかったライジングプロのふわふわ「フワフワSugar Love」や西内まりやの「BELIEVE」、バーニング幹部の某氏が推す西野カナが有力だという。
自浄作用のない業界は腐敗し、潰れる。これが一番当てはまるのが、芸能界であることは疑いようがない。
現代がレコ大を含めて芸能界を牛耳り、ドンの名を欲しいままにしているバーニングの周防氏をインタビューしている。
このところ、芸能界の裏話を追いかけて連載しているノンフィクション作家の田崎健太氏がインタビューしている。
周防氏も75歳。こうしたインタビューに出てくることは珍しいから、出しただけでも、ある種のスクープではある。
だが、いま出すのなら、文春のスクープについて聞かなければ何にもならないと思うが、それが条件なのであろう、今回はそれについて聞いていないのがもの足りない。
新栄プロという演歌専門のプロダクションで働き始め、運転手をやったりサイン色紙を売ったりと、それなりに頑張ったそうである。
懐かしいTBSの音楽プロデューサー渡辺正文氏の名前が出たり、バーニングの由来、郷ひろみ移籍問題、メリー喜多川氏のことなど話してはいるが、どうということはない内容である。
田崎氏は周防氏が「ぼくは口下手なんです」と言ったとか、「想像とは異なり、芸能界の『ドン』は最後まで控えめな男だった」と書いているが、私が知る限り、彼は酒は飲まないが、舌はかなり回るほうである。
田崎氏も、「ところで、レコ大の1億円の話ですが、あれは本当なんですよね」と、聞いてみたらよかったのに。そうすれば、周防氏が無口で控えめではなく、すごみのある饒舌ぶりを聞くことができたはずである。
そういう意味でも、残念なインタビューではある。
さて、トランプの話題に行く前に、現代に謝らなければいけない。
先週号で現代は、「えっ、えっ、トランプ? アメリカ大統領選大どんでん返し」という特集を組んでいたのを、まったく扱わなかった。
もちろん、記事を作った時点ではクリントン優勢で、「トランプ? 冗談だろ~」というのが大勢だった。
私もそう信じていたから、現代を読むことさえしなかった。失礼した。
これは現代のスクープである。今から読み直しても、今週の現代の記事よりナンボかいい。
ということで、トランプに行こう。
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