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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 『珍プレー好プレー』に足りない物
熱血!スポーツ野郎

いまだに「宇野ヘディング事件」頼みって……フジ『プロ野球珍プレー好プレー大賞2016』に足りないもの

 2016年も残りわずかだというのに、いまだに80年代・90年代を生きる放送局がある。ご存じ、フジテレビのことだ。

 11月5日、『中居正広のプロ野球珍プレー好プレー大賞2016』がゴールデン帯(21時~)で放送された。が、その内容は「2016」よりも「在りし日のプロ野球」を振り返ってばかりだった。

 伝説のスポーツ番組『プロ野球ニュース』の番組内コーナーだった「珍プレー好プレー」が特番化され、人気を博したのは1983年のこと。以降、年2回のペースで放送され、野球人気の下支えに貢献してきた。

 ところが、球界再編騒動が起きた翌年の2005年、プロ野球が新しく生まれ変わろうというときに、まるで役目を終えたかのように終焉を迎えた。

 そんな名物番組が中居正広をMCに据え、『中居正広のプロ野球珍プレー好プレー大賞2015』としてゴールデンで復活を果たしたのが昨年のこと。だが、「2015」をうたいながら、その年の名場面は少なく、ただただ往年(『プロ野球ニュース』と『珍プレー好プレー大賞』が人気だった80年代中盤~90年代)のプロ野球名珍場面を振り返るばかり。

 その番組構成に、多くの野球ファンは失望を覚えた。

 野球はこんなにも進化しているのに、スポーツバラエティのあり方だって進化しているのに、なぜ90年代で時を止めてしまうのか?

 ただ、副題として「安心してください!33年分ありますよSP」と掲げていただけに、過去を振り返ることは想定内だった。だからこそ、今年の番組に期待していたのだ。

 ちなみに、今年の副題は「番組史上初!プロ野球選手が投票No.1を決定」というもの。現役選手500人にアンケートを行い、「これぞ!」と思う珍プレー好プレーに投票してもらったことを“売り”としていた。

 てっきり、『すぽると!』時代の名物企画、「プロ100人が選ぶ部門別トップ5 1/100」に倣ったものだと期待していたら、それは完全なる見込み違い。いや、勝手に期待したこちらが悪いのだが、それにしたって、現役選手が選ぶNo.1珍プレーが「1981年・宇野ヘディング事件」って本気だろうか?

 確かに、「宇野ヘディング事件」は球史に残る“名・珍場面”であり、『珍プレー好プレー大賞』の代名詞的存在でもある。これまでにも何度もリプレイされているからこそ、現役選手が選んだ、ということは考えられる。

 だが、プロ野球選手の平均年齢は27.5歳。つまり、1980年代後半生まれがボリュームゾーンだ。そんな選手たちが、自分が生まれる前の珍場面をNo.1に選ぶとは、とてもではないが、考えにくい。申し訳ないが、「宇野ヘディング事件」ありきのアンケート作り、番組作りをしていた、と疑わざるを得ない。

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