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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > フジ月9がまるで“枕営業”!?

まるで“枕営業”!? Hey!Say!JUMP・山田涼介『カインとアベル』繰り返される超展開

 そんなとき、都合よく現れたのが謎の投資家クロサワ(竹中直人)でした。父の姉・桃子(南果歩)の婚約者として登場したクロサワは、どう見ても詐欺師のような人物。こうして都合のいい人が都合よく現れるのも、このドラマの特徴となっています。

 初対面の場で、優くんはクロサワにいきなり「100億円、用立ててくれませんか?」と申し出ます。クロサワは「ふふっ」と怪しい笑みを浮かべると、「わかった、いいだろう」と投資に応じます。いつも、優くんの仕事はだいたいこんな感じです。

 その後、クロサワは隆一の失踪先を訪ね、100億円の融資を確約。隆一は有頂天で会社に戻ってきます。「奇跡を呼び寄せた!」「1人でやってのけた!」「やっぱり俺は持ってる!」と自信を深めた隆一ですが、裏で優くんが手を引いていたことを知りません。それを恋人の梓(倉科カナ)に伝えられると、怒髪天。家に帰って「助けたつもりか……」とか言いながら優くんを殴り飛ばしましたとさ。

 かように、山田涼介だけがオイシイ展開となっているわけですが、これ「輝いている山田涼介」を見せるための脚本というより「堕ちていく桐谷健太」をより残酷に、残酷に傷つけるための展開になってきている気がするんですね。で、激しく浮き沈みする桐谷健太が、これまた実に軽薄な人物として描かれていて、「ざまあみろ」的な快感に満ちた演出になっているんです。

 この作品、4話までの平均が8%を割り込んでいまして、4月期の“史上最低月9”『ラヴソング』が記録した全話平均8.5%を下回る可能性が高くなってきました。

 正直、ビジネスシーンを描いた“お仕事ドラマ”としては見るべきものはありません。真面目に追いかけるには、あまりにファンタジーすぎる。ネット上には真面目に追いかけている方々による「仕事をナメんな!」というご意見が散見されますが、まさにその通りだと思います。

 今後、『カインとアベル』を見続けていく視聴者は、キラキラと恋に仕事に駆け回る山田涼介を眺めたい熱心なファンか、桐谷健太がギッタギタに打ちのめされて悶えまくる様子を楽しみたい悪趣味なごく少数か、その2種類しかいないように思うんです。

 この2種類の方々には、けっこう深く刺さる作品になっていると思います。実際、わたしも後者的な視点で次回を楽しみに待つひとりです。でも、そんな視聴者、この国に何パーセントいるんでしょうね……。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

最終更新:2017/04/19 13:40
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