レコード大賞1億円不正に「ドンの謝罪」は無意味? “本当のドン”を前にメディアは沈黙で……
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
11月7日のasahi.comがこう伝えている。
「慶応大の学園祭イベント『ミス慶応コンテスト』を主催していたサークル『広告学研究会』=解散=の合宿で性行為の様子を撮影したなどとして、慶大は男子学生3人を無期停学処分にした。慶大が明らかにした。処分は3日付。神奈川県警は集団強姦(ごうかん)などの疑いで捜査している。慶大広報室によると、3人は同研究会のメンバーで、商学部2年生1人と理工学部の1年生2人。神奈川県葉山町の合宿施設で9月2日、サークル活動中に性行為をしたり、その様子を動画で撮影したりし、『気品をそこね、学生としての本分にもとる行為を行った』としている。また、監督を怠ったとして、環境情報学部2年生の男子学生1人を譴責(けんせき)処分にした」
やつらは気品を損ねたどころの騒ぎではないはずだ。この期に及んでも毅然とした処分のできない慶應には正直ガッカリしている。
さて、週刊誌のおもしろさは、時として主張がまったく違う論調が同じ発売号に載ることである。
今週はポストと現代が、株価の先行きで正反対の読みをしている。
ポストは、野村證券投資情報部の滝沢俊彦部長が「年末には株価1万9000円、来年は2万円超えもある」と依然として強気の姿勢を崩していないというのだ。
彼がいうには、現在の状況は株が急騰した97年の状況に似ているというのだ。そのときはIT革命バブルで、株価が10倍になる企業株が続出したが、今回はAI革命、人工知能革命で10倍株が続出するというのである。
何をバカなことをと、私は思う。日銀の黒田総裁でさえ、アベノミクスの失敗を公に認めたのに、失礼だが株屋のいうことなどそのまま聞いて、株価が上がると吹聴するのは悪い冗談としか思えない。
株屋は株が上がってなんぼの世界だ。下がる、買うのはやめたほうがいいなどと、口が裂けてもいわない。
それに、発売前にはトランプリスクもあって、株価は下がり、為替は上がってしまった。
今の日本に株が上がる材料などどこを探してもあるはずがない。私は現代の見方を支持する。
現代によれば、日銀が出したレポートの正式名称は「金融システムレポート別冊シリーズ」。
「金融システムレポートは日銀の金融機構局が年に2回作成し、日本の金融システムの健全性について日銀が分析するものである。(中略)レポートを作成した金融機構局は、総勢300名を越す日銀マンが働く大所帯。経済危機で資金繰りに行き詰まった金融機関への緊急融資を担うことから、金融システムの安定をつかさどる『最後の砦』とも言われる。つまりは日銀の中枢の一つであり、そこが『株式暴落レポート』を出したのだから余計に衝撃が大きくなっている」(現代)
実際にレポートを引けば、米国の金利上昇が始まるとまず「米国経済が減速する。米国経済の下振れは、貿易・金融チャンネルを通じて世界経済に波及する。その結果、わが日本の経済も減速するというのである。
「はなから『世界同時不況』のリスクを指摘している。さらに、こうした世界同時不況が顕在化してくると今度は、〈グローバルに企業財務を悪化させ、信用コストが増加する。この間、新興国から米国など先進国への資金流出が起こり、新興国の成長率がさらに下押しされたり、ドル建て債務を抱える新興国企業の財務悪化を招く可能性もある〉。(中略)もちろん、このような状況下では日本企業への影響も甚大なものとなり、まず〈ドル調達市場において資金供給が抑制され、(中略)わが国金融機関の海外ビジネスに収益や経営体力面から大きな影響が及ぶ可能性が高い〉。──つまり、邦銀がドルを手に入れるのに莫大なコストがかかるようになるため、海外ビジネスが立ち行かなくなると警鐘を鳴らしている。続けて、〈流動性が低い海外貸出については、これをファイナンスする外貨が確保できなければ、損失覚悟の売却(投げ売り)を余儀なくされるため、金融機関への影響も相応に大きくなると考えられる〉と、金融危機リスクにまで言及しているのである」(同)
この日銀レポートが恐ろしいのは、こうした金融パニックが起きた時、日本ではGDPや株価がどうなるのかまで具体的に試算しているところにあると現代はいう。
「国内経済(実質GDP)の成長率も、2015年度0・8%から2017年度マイナス0・2%へと低下する。この間、わが国の株価は、ドルの長期金利上昇の影響を踏まえ、2割弱下落すると想定する。日本経済はマイナス成長に転落し、1万7000円台の株価が一気に1万3000台まで暴落するというのだから、ただ事ではない」(同)
このほうがポストの記事より信憑性があると思うが、いかがだろうか。
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