レコード大賞1億円不正に「ドンの謝罪」は無意味? “本当のドン”を前にメディアは沈黙で……
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
フライデーが、電通が発表した22時一斉消灯が守られているか、10月28日の21時半過ぎから、外で見ていたそうだ(同様のことを『報道ステーション』でもやっていた)。
22時に何の社内放送もなく突然電気が消えた。避難訓練のように集団で一斉に外に出てくる。
1階中央の受付テーブルの周りだけに非常灯がついているが、「この頼りない灯にすがりつくように数人が業務を遂行しようとする姿が見てとれる」(フライデー)。その連中も30分もしないうちに社外に消えたという。
家に仕事を持ち帰ってやらざるを得ない者もいるが、「始発で会社にくる人が増えているんですよ」(電通クリエーター・同)。
そこでフライデーが週明けの月曜日4時50分に電通前で待っていると、何人もの社員がフライデーの問いかけには応えず、無言で社内に入っていったという。
私の知っていた電通マンには、深夜までクラブやバーで大酒を飲み、女にだらしなかったが、仕事はできるというタイプが多かったように思うが、それももはや昔語りなのであろう。
11月7日のasahi.comはこう報じている。
「厚生労働省は7日、電通本社(東京)と全国の3支社に労働基準法違反の疑いで一斉に強制捜査に入った。東京労働局などによる先月の立ち入り調査などを通じて、違法な長時間労働が全社的に常態化していた可能性が高いと判断。強制捜査に切り替え、立件に向けて全容解明を目指す方針だ」
この際、電通の機密を全部かっさらおうという国の強い意志を感じるのは、私だけだろうか。
先週号の現代で小池都知事と総理夫人の昭恵との対談をやったが、そこで昭恵が「いまは大麻に興味があるんです」と発言したことに文春が噛みついている。
「もちろん吸うわけではありません。ひとつは医療用。もうひとつは、『祈祷用』。(略)『日本を取り戻す』ことは『大麻を取り戻す』ことだと思っています」(昭恵)
彼女は大麻所持容疑で逮捕された高木沙耶容疑者とも親交が深く、また、鳥取県で大麻を栽培していて、使用目的での所持で逮捕された会社代表の上野俊彦容疑者とも付き合いがあるそうだ。だが彼女、文春にこう答えている。
「私自身、大麻自体を悪いと思っていません。吸引に関しては法を犯してはいけない。(中略)私も山口県で免許(栽培の=筆者注)を取りたいと思っていました。産業用は毒性がほとんどない。上野さんは産業用の大麻を復活させようと血の滲む努力をされてきた。元々麻は自生していた植物なのに、なんでここまで取り締まるんだろうと思っています」
安倍首相よりよほど信念の人である。私は大麻をやったことはないが、そう目くじら立てるほどのことではないのではないかと、思っている。
山口の自宅で首相と2人で大麻を吸ってみたらどうか。当局は見て見ぬふりをするのではないか。それとも一気に大麻解禁となるかもしれない。おもしろい女性だ。
さて韓国の朴槿恵大統領(64)が追い詰められている。40年来の親友・崔順実(60)という民間人の女性に、衣装から演説内容、人事から外交政策まで相談し、アドバイスを受けていたという大スキャンダルが発覚したのだ。
朴大統領は母親を殺され、失意のうちにいるころ、崔の父親が彼女に手紙を書き、「私の霊的能力を通じて陸女史(朴の母親=筆者注)に会うことができる」などと言いくるめて近づき、朴の「心の隙間に入り込んでいったのです」(韓国特派員・週刊文春)
彼は韓国のラスプーチンなどといわれた。このころ、崔の娘と知り合い交流を深めていったそうだ。
その後朴の父親が暗殺され、崔の父親も亡くなると、崔は朴を政界入りさせ、その力をバックに様々な利権を握っていったといわれる。
私は朴大統領を、以前から存在感の薄い寂しい人だなと思っていた。両親を暗殺され、特に父親の朴元大統領は、指導力はあったが徹底的な言論弾圧などの圧政を敷き、国内外でも批判が多かった人であった。
親しい友人もいなかった朴大統領にとって崔は心を許せる唯一の友だったのであろう。
若いころの2人の映像を見ると、今は滅多に見せない朴が心からくつろいでいる表情が見て取れる。
だが次第に崔やその取り巻きたちに利用され、操られていったのではないか。一国の宰相にあってはならないことだ。早く辞任したほうがいいと思う。だが、そうなれば不逮捕特権がなくなり、逮捕・投獄もあり得るかもしれない。
朴は4日の国民向けの談話でも、辞めるとはいわなかった。
朴槿恵、小池百合子、ヒラリー・クリントンと女性の活躍が目立ってはいるが、しょせんこの世は男社会。朴政権崩壊で女性の時代のドミノ倒しが始まるかもしれない。
ポストでは、崔の父親の崔太敏と朴大統領の間に子供がいるのではないかという疑惑を報じている。
大統領選の前に朴は「隠し子が実在するなら連れてきてはどうか。DNA検査を受けてもいい」と返答しているが、この疑惑は完全に消えたわけではないようである。
また、崔の元夫と朴大統領との親密な関係も取り沙汰されているようだ。
この一連のスクープを放ったのはJTBCというケーブルテレビで、そこのキャスター兼社長の孫氏は「韓国の良識」と評されているそうだ。当局から「パソコンの内容を公開するなら会社に税務調査に入る」と脅されても屈しなかったという。
次期大統領候補とまでいわれているそうだが、それに比べて、言論の自由が保証されている日本のメディアのだらしないこと。
呆れるというより、もはや見捨てられた存在になってしまったことは間違いない。
韓国や中国の報道を云々する前に、自分たちのだらしなさを恥じるべきである。
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