どうなる? フジ“月9”ドラマ 亀山社長は“打ち切り”を全面否定も……
#ドラマ #フジテレビ
『東京ラブストーリー』(1991年/鈴木保奈美&織田裕二主演)、『101回目のプロポーズ』(同年/浅野温子&武田鉄矢主演)、『ひとつ屋根の下』(93年、97年/江口洋介主演)、『ロングバケーション』(96年/SMAP・木村拓哉&山口智子主演)、『ラブジェネレーション』(97年/木村拓哉&松たか子主演)、『HERO』(2001年、14年/木村拓哉主演)など、数々のヒット作を生み出したフジテレビの看板ドラマ枠“月9”が、消滅の危機に瀕している。
そんな中、10月28日に行われた定例会見で、同局の亀山千広社長は、“月9”ドラマの撤退に関して、「みじんも考えていない」と全面否定したが、実際のところはどうなのか?
かつては、我が世の春を謳歌した“月9”ドラマだが、視聴率21.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同/全話平均)をマークした14年7月期『HERO』第2シリーズを最後に、低迷続き。同ドラマ以降は、15年4月期『ようこそ、わが家へ』(嵐・相葉雅紀主演)の12.5%が最高視聴率で、“看板ドラマ”としては、なんとも寂しい数字に終わっている。
今年に入ってからは、1月期『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(有村架純&高良健吾主演)が9.7%で、同枠ワースト視聴率を記録。“切り札”ともいえる福山雅治を主演に据えた4月期の『ラヴソング』は8.5%と爆死し、2期連続で同枠ワーストを更新。7月期『好きな人がいること』(桐谷美玲主演)も8.9%(同)と低調で、同枠ワースト2位に……。
そして、今クールの『カインとアベル』(Hey!Say!JUMP・山田涼介主演)は初回8.8%で、同枠の初回最低視聴率を記録。さらに第2話は8.6%と下げてしまった。主役のネームバリューのなさや、視聴者のネット上での評価がかんばしくないことから、全話平均で2ケタを取るのはむずかしそうで、『ラヴソング』のワースト記録を更新する可能性も高そうだ。相次ぐ不振で、“月9”打ち切りのウワサがあちこちで飛び交っている。
「視聴率が悪いのはもちろんですが、それによって、態度を硬化しているのがCMスポンサー。来年、某大手企業が契約を打ち切ることが有力とみられています。そうなった場合、番組制作費は大幅に削減せざるを得なくなり、大物俳優(女優)にオファーすることすらできません。出演料を安く上げるため、“月9”そのものを今クールのような“若手育成枠”に転換する手段もありますが、それではとてもゴールデン帯で数字を取ることは不可能で、制作費のかかるドラマを維持することは難しいでしょう。“月曜ドラマ”を廃止しないなら、放送時間帯を移行するなどの手立てが必要になってくるのでは? 亀山社長が言うように、将来的に“月9ドラマ”から撤退しないとしたら、某大手企業と交渉し契約の継続、または新たな有力スポンサーを獲得するしかありません。現状の視聴率では、そのいずれも厳しいのでは?」(テレビ制作関係者)
亀山社長は『カインとアベル』の初回視聴率に関し、10月3日からビデオリサーチ社が本格調査を開始したタイムシフト(録画再生)視聴率が5.9%、総合視聴率(重複視聴は除く)が14.0%あり、「決して悪くない」といった趣旨の主張を展開した。それをいうなら、同じく初回のリアルタイムで20.4%をマークしたテレビ朝日系『ドクターX~外科医・大門末知子~』(米倉涼子主演)のタイムシフト視聴率は9.5%、総合視聴率は28.3%で、『カインとアベル』とは比較にもならない。ましてや、録画再生での視聴はCMを早送りされる可能性が高く、スポンサーにはメリットがない。
まさに風前の灯火となった“月9”ドラマ枠。いくら、亀山社長が撤退を全面否定したとしても、“打ち切り”のウワサが絶えることはないだろう。その終焉の日は、刻一刻と近づいているのではないか?
(文=田中七男)
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