モノブライト出口博之の特撮自由帳 「こんなのライダーじゃない!」というにはまだ早い!『仮面ライダーエグゼイド』に見る平成仮面ライダーのデザインの魅力とは!?
古来より仮面ライダーの顔は「マスク状のもの」で覆われており、目は「表情がわからない複眼のようなもの」もしくは「バイザー状のもので覆われている」と相場は決まっているのです。
しかし、しかしだ。放送前に公開された『エグゼイド』のビジュアルは、何をどう頑張って見ても仮面ライダーらしさを感じることができません。「仮面ライダーらしさ」というのは個人の基準であり、その基準は絶対的なものです。何をもって仮面ライダーとするのか。前述の「顔はマスク状で、目は複眼」という部分は私が「仮面ライダーらしさ」を求める場所であり、「触覚こそがライダーだ!」という方もいらっしゃると思います。各々差はあれど、おおよそ大部分の人が思う「仮面ライダーらしさ」は共通していると言っても過言ではないでしょう。
前置きが長くなりましたが、端的に言うと『エグゼイド』のビジュアルが発表になった瞬間、ほとんどの方は「なんじゃこりゃ!」と思われたのではないでしょうか?
極端な話、ここまで仮面ライダーからかけ離れていると「もはやこれは仮面ライダーでなくても良いのではないか?」という気持ちが出てこなくもないわけではないし、他のヒーローとしてなら良いんだけどね、仮面ライダーとなるとちょっと、と思われる方もいれば、「エグゼイド、歴代の中でも超カッコいい!」と思う方もいる。このように、エグゼイドは放送前の段階から印象が二極化するほどの「強烈すぎるインパクト」を備えていて、この時点で作品として半分は成功している、と言えるのです。
放送直前は既成概念を打ち破るデザインで賛否が巻き起こるが、放送直後は「あれ? 思ったよりもカッコいいかもお話も面白いぞ!」という流れは、ここ数年のシリーズで非常に多く見られます。いわゆる「平成シリーズヒットの法則」とでも言いましょうか。
「ここ数年」を明確に定義すると、『仮面ライダーW(ダブル)』(09年)からになります。
平成シリーズのヒットの法則を検証するにあたって『仮面ライダーW』を起点とした理由は、『W』の前作となる『仮面ライダーディケイド』が平成シリーズ10周年と銘打ち、ある意味でシリーズを総括して句読点をつけたこと、現在の『仮面ライダー』を取り巻く環境(テレビ、映画、おもちゃなどのコンテンツが複合的に絡み全方位でひとつの作品を作る)が完成したタイミングだからです。
では、順番にそれぞれの放送前、放送直後における印象を振り返ってみましょう。ここからは私の主観が多く含まれていることをご理解ください。
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