最年少球団社長は、横浜DeNAベイスターズの何を変えたか? 池田純『空気のつくり方』
2016/10/13 17:00
#本
むろん、ここ5年の成績は、6位、5位、5位、6位と来て、11年ぶりのAクラスとなった今季も3位とはいえ、69勝71敗3分で借金は「2」。98年当時のような、誰もが認める「強いチーム」になるまでには、まだまだ時間もかかるだろう。
しかし、そうであるからこそ、ベイスターズの「これから」が楽しみなのもまた事実。
「チームに投資できるのは経営健全化の過程で、最後のフェーズです。『投資してチームを強くすることで経営を健全化させる』のではなく、『まずは経営を健全化させ、その後にチームに投資し、経営とチームの好循環を生む』のです」
「経営や組織に対する信頼感を構築できたこれからのフェーズでは、結果をきちんと出した選手に年俸の面でもしっかりと報いていき、『活躍すれば夢のある年俸を手にすることができる』という空気をつくっていくことが重要だと考えています」
本書の中で社長自らがそう言いきっているように、球団が「チームへの投資」に本格的に乗りだすのは、名実ともに「健全経営」の基盤が整う来季以降。
徹底したマーケティングとブランディングを武器に、ベイスターズを「経営のしっかりした、革新的・挑戦的で、カッコいい球団」へと変貌させてきた若きリーダーがみせる次なる一手には、ファンならずとも、いまから期待を抱かずにはいられない──。
(文=鈴木長月)
最終更新:2016/10/14 11:25
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