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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 芸歴16年目の不思議な顕示欲
宍戸留美×小明×Voice Artist【声優 on FINDER!】vol.42

「私のことよりギンギン♂ガールズを……!」【石毛佐和】芸歴16年目の不思議な顕示欲

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――ちなみに、養成所に通わなかったことで、養成所出身の人との違いを感じることはありますか?

石毛 養成所を出たかどうかはあまり関係ないかもしれないですけど……私、自己プロデュース能力がまるでないんですよね。

――……ん? どういうことですか?

石毛 養成所ってたくさん候補がいるなかで自分をアピールして選ばれなければならないし、その過程で「自分をこう見せたい」「こうありたい」って感情が芽生えやすい環境ではないかと、想像しています。私には、そういうのがまるでない。自己プロデュース能力がゼロなんですよ。それに、ごく最近気付いちゃって。

――ちなみに、今芸歴は……?

石毛 えーと、16年目?

――逆にすごいことですね。フリーランスって自己プロデュースが命みたいなところもあるのに!

石毛 16年目でついに気付いちゃったんですよねぇ。身近に宍戸留美さんみたいな、自己プロデュースの塊のお手本もいたのに、まったく気付かなかった。ただただ無我夢中に、お芝居とだけ向き合い続けてしまったのかも。あと、私、もともと自分に関心がなさ過ぎるんですよ。この年齢で、まだマスカラも買ったことないし、そもそもメイクすら滅多にしないし、この服も3年前の……。

――そういえば、今日もすっぴんでいらしてましたね。

石毛 そうそう。前、何かのオーディションの時に宍戸さんと一緒になって、「佐和ちゃんノーメイクで来たの? かっこいい」って言われて、そのときハッとしたんですよね。普通は少しでも良く見られるために綺麗にしてくるよなぁって。なんか意識が低いんですよねぇ、私。

――じゃあ、もちろんネイルアートとかは?

石毛 ないです(キッパリ)。自分でネイル塗ったことない。あ、プロの方にお願いしたことはあります!でもたぶん2回だけ……。

――すね毛とか腕毛は剃ってますか?

石毛 剃らないです(さっぱり)。生まれながらの状態です。

――うそ!? あ、でもなんか……生えてない! なんで!? つるつる!!

石毛 自分に投資するとか、時間をかけるとか、ああしたいこうしたいっていう気持ちが、まったくないんですよ。今まで、価値基準の真ん中にあるものが“自分が喜ぶこと”じゃなくて“誰かが喜ぶこと”だったので。

――何それ! 聖女なの!?

石毛 それはそれで良かったんですよ。悩みもないし、自分のことで深く考えることもなかった。でも、「あまりに自分をおろそかにしすぎたな」と思って……。最近は「私はどうしたいの?」って、意識的に考えるようにしています。だから、これからはもう少し「アレがやりたいコレがやりたい」「こういう髪型にしたい」っていうのを出していくから、楽しくなる気がしますよ。20代をやり直す感じです。マスカラも買う(笑)。

――20代っていうか、中学生くらいのような気が……! ちなみに、悩みがなかったってことは、今までに進路で悩んだりはしなかったんですか?

石毛 まったく悩まなかった(キッパリ)。あ、ひとつ悩んだことと言えば、大学を中退するときかなぁ。芸術学部で絵を描いていたんですけど、このお仕事で食べて行けると思っちゃったんですよね(笑)。

――サンミュージックだったら私も思っちゃいます……。

石毛 後悔しているので、もしかしたらまた通い直すかもしれないですね。これからは自分からわき上がる欲求を拾って行きたい!

――どんどんやっていきましょう! ところで、石毛さんは何度も事務所に入ったり辞めたりを繰り返してますよね。それはどうしてですか?

石毛 たぶん、私にとっては“事務所”より“人”が大事なんですよ。情が湧くっていうか。だから、マネジャーが辞めた時について行くとか、この人と出逢えたからここに行くってことが多いですね。

――あんまり利益を目標としてないんですね。フリーでの活動と事務所での活動はどっちがやりやすいですか?

石毛 どっちでも不自由は感じてないんですけど、いかんせん自己プロデュース能力がないので……。

――自己プロデュース能力がないと、自己アピールするのも難しいから、売り込みとかができなそうです。

石毛 そうなんですよねぇ。だから本当はフリーは向いてないんだろうなぁ(笑)。

――事務所にいた方がプロデュースしてもらえるから楽なのでは?

石毛 どうでしょう? 一概には言えませんが、声優事務所ってそこまで「君をああしよう、こうしよう」ってしてくれるケースって稀じゃないかなぁと。むしろ、自分でデモテープを作って、マネジャーに「こういうのが出来ます!」「これをやらせてください!」ってご提案する場合も多いし。……でも、私は「絶対にここに行きたい!」っていう目標もないんですよね。私と周りの人が快適に過ごせることが目標なんです。それでオッケーなんです。

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