22年間で運転した期間はわずか250日……総コスト1兆2,000億円「もんじゅ」廃炉の責任は誰が取る?
#週刊誌 #元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞
私はボクシングが好きだ。先日の長谷川穂積と山中慎介のダブルタイトルマッチは、久しぶりに興奮した。
現在、日本にチャンピオンは7人いる。中でも井岡一翔(27)は人気、実力ともに抜きん出た存在である。元世界王者の井岡弘樹を叔父に持ち、史上最速で3階級制覇を成し遂げた。
だが、一翔のトレーナーであり父親である井岡一法氏を大阪国税局のマルサが狙っていると、新潮が報じている。
金ピカの「3階級御殿」やポルシェ・カイエンをはじめとする超高級外車などに、マルサが目をつけたというのである。
金ピカ御殿は数億円を上回る費用がかかっているそうだが、キャッシュで払っているそうだ。
そして本丸は「一法氏には現在、チケット売上の大半を所得として申告しなかった疑いなどが持たれています。悪質な脱税の時効に当たる7年前までに遡って精査し、所得隠しの総額は少なくとも5億円に上る」と、国税局関係者が語っている。
ボクシングの興行はプロモーターが仕切り、主な収益はテレビ放映権料とチケットの売り上げだ。
今回は脱税のやり方や調査への対応も悪質で、「まもなく大阪地検特捜部に告発され、身柄を取られることになるでしょう」(国税局関係者)。
スポーツは子どもたちに夢を与えるものなどというつもりはないが、ハングリースポーツといわれるボクシングの持つ暗い部分が再び明るみに出ることで、昨今のボクシングブームに水をかける結果にならなければいいがと、心配である。
本来単純だった話が、時間を追うごとに複雑になっていくのは、当事者たちが自分に火の粉が降りかかるのを怖れたり、責任逃れをするからである。
豊洲市場移転問題が、その典型であろう。都議会のドンといわれ、都政を我が物顔に牛耳ってきた内田茂都議の「悪行」につては、文春をはじめ、さまざまな週刊誌が書き立ててきた。
だが、舛添要一前都知事をはるかに超える額の税金を湯水のように使って、毎晩のように料亭、高級レストランで散財し、その上、新銀行東京なるバカなものを立ち上げ1,400億円もの巨費をドブに投げ捨てた「巨悪」石原慎太郎元都知事については、メディアは忘れ去ったかのように見えた。
ようやく、豊洲の盛り土問題について石原の証言が二転三転していくことで、この男のデタラメな都政運営が明らかになろうとしているのは、私は大歓迎である。
文春は石原が都知事になった99年当時、都が推し進めてきた臨海副都心開発が失敗に終わり、累積5,000億円超もの赤字を抱えていた。
そこで石原は、「黒字の羽田沖埋立事業会計などと統合させ、赤字を見えにくくした。そして、築地市場を豊洲に移転させて、超一等地の市場跡地を民間に高値で売却し、赤字削減と臨海再開発の一挙両得を狙ったのです」(元都庁幹部)。
目をつけた東京ガスの跡地は当初交渉が難航していたが、石原の腹心の浜渦副知事を交渉担当として、東京のきれいな土地と、さまざまな危険物質で汚染されている東ガスの土地を等価交換するなど、不可解な契約までして、手に入れるのである。
「通常、土壌が汚染されたような土地を買う場合、価格を割り引くのが当たり前。が、都は、売買価格を算出する際、財産価格審議会に“現在は汚染物質は存在していない”として通常価格で計算させている。なぜこのような経緯になったのか。都は一連の交渉過程を公開すべきです」(週刊新潮)。
ベンゼン、シアンが環境基準の何千倍、何百倍も検出されている土地のため、土壌汚染対策を徹底的にやると当時の市場長が言っていたのに、石原は「時間がかかる。カネもかかる。そこまでやる必要はない」と言い出し、会見で「コンクリ箱を作れば安くて早い」と言ったのだ。
石原が言い出しっぺだったのに、初め関知しないと逃れようとした。だが、数々の事実や都庁内からの批判が出てきて観念したのか、9月21日に文書を発表した。
そこには冒頭、自分の知事在任中のことで大きな混乱と懸念を生じさせたことを詫びている。この件は専門家の意見を聞いて進めたもので、「私が土壌汚染を無視して予算と完成時期だけにこだわり強引に今回問題になっている構造にさせたといった指摘がなされているようですが、そのような事実は断じてありません」と、型通りに否定している。
誰も、知事一人でやったと言ってはいない。最大の権力者が、自分の腹心と、息のかかった都庁の人間にやらせたのであろう。
石原は「都は伏魔殿だ」と言ったが、その伏魔殿を牛耳り、やりたい放題やったのが石原と内田である。
新潮は、盛り土が全体に行われていなかったと騒ぐが、専門家は、盛り土の上に建物を建てると「豆腐の上に家を建てるようなもの」(一級建築士の田岡照良氏)で、「地下部分に空間を作らず盛り土の上に直接建物を作る場合と、コンクリートの『地下ピット』を作った今回の場合。両者を比較すると後者の方が衛生的かつ安全であると言えます」(藤井聡京大大学院工学研究科教授)。
だが、都は08年に環境調査をしているが、「ベンゼンは土壌の1カ所から環境基準値の4万3000倍の濃度が検出されるなど、地上で35カ所、地下水では561カ所で基準値超え」(永尾氏)。シアンも1カ所から基準の860倍の高濃度で検出されるなど、地上で90カ所、地下水では966カ所で基準値を上回っていた。
そうした結果を受けて、都は土壌対策に858億円を費やしてきたと新潮は書いているが、それで完全にそうした危険が取り払われたのか、要再調査である。
ネズミの大群が潜む築地、土壌の安全性が完全に確保されていない豊洲。どちらも都民の食を脅かす存在だが、小池都知事はどういう判断を下すのか。
まずは、9月28日13時からTOKYO MXで生中継(東京都議会のインターネットでも中継)される、小池都知事の所信表明演説に注目である。
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