千原ジュニア、ロバートが自らのネタを種明かし! 過酷な芸人サバイバル『笑けずり』が“けずる”もの
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コントは通常、その世界に観客を引き込むのに時間がかかってしまう。漫才と比べ、状況を説明しづらいからだ。だから、いかに早くコントに客を引きずり込むことができるかが重要だ。ロバートのコントは、それこそが最大の武器である。「何、この遊び?」と客を驚かせて引きずり込むことが多い。実際、ロバートは自分たちがやる「遊び」から、ネタに化けることが多いという。だから、「オリジナルの遊びやゲーム」を作るように課したのだ。
彼らは「オリジナル」であることも重視する。
「なんか見たことあるなとか、ちょっとカブってるんじゃないかとか連想させると、もったいない」
ここで秋山は、「ダメ」ではなく「もったいない」という表現を使った。また、実際に真似かどうかはともかく、客に「連想させる」こと自体が「もったいない」と。
つまり、過去のネタに似ていると見ている側が気づくと、どんなに面白くても、そのフィルターがかかってしまって損をする。だから気をつけたほうがいいと、単にダメと言うわけではなく、その理由までを端的に語っているのだ。
実際、今回ロバートによって「けずられた」のは、「動きとかセットとかの言葉のチョイスとか、これまであったようなにおいがするんですよ。それがあった瞬間に、急に損する」と評された「レイトブルーマー」だった。
彼らはネタ作りのシーンでも、コンビ間で衝突。細かな動きにこだわって、ネタ全体を覚えようとしない相方に、かにが不満をぶちまけていた。まだコンビ歴わずか3カ月。無理もない。
ジュニアが審査前に「こういう時に言われた一言って、いまだに覚えてますから。僕も25年前にある人に言われたこととか、先輩の一言とか、全部覚えてますんで、(みなさんには)非常に丁寧にお話ししたいと思います」と語っている通り、先輩芸人たちの一言一言は、彼らの血肉となっていくだろう。
『笑けずり』で「けずられる」のは、芸人自身だけではない。彼らは、過酷な状況の中で、必要以上のプライドや先入観をけずられ、自らを見直し、変わっていく。また視聴者である僕らも、それまで死角で見えなかった部分がけずられ、芸人たちへの見方が広がっていくのだ。
(文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/)
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