「これはファックではない訓練だ!」伝説のハードボイルドエロ劇画『実験人形ダミー・オスカー』
#コミック #ザオリク的マンガ読み
今回ご紹介するのは『実験人形ダミー・オスカー』という作品。小池一夫先生と叶精作先生の巨匠コンビによる名作です。しかし、タイトルは知っているけど読んだことがない、という人も多いのではないでしょうか? その異様な響きのタイトルといい、あまりにエロ劇画的で近寄りがたいオーラが漂う表紙といい、恐れをなして手を出せないという気持ちもわかります。実際、僕もそのひとりでした。
今回は、この狂気の名作、『実験人形ダミー・オスカー』の魅力について語り、今まで敬遠していた人にもぜひ読んでもらいたいという趣旨で書いておりますが、もしかしたらいま以上に敬遠する結果となるかもしれません。それほどにアクの強い作品、「ハードボイルド・セクシーコミック」なのです。
『実験人形ダミー・オスカー』の主人公は、本物の人間とまったく見分けがつかない人形(ダミー)を作る天才人形師、渡胸俊介(ときょう・しゅんすけ)です。渡胸がその人形師としての能力を生かしてビジネスをしたり人助けしたり、時には犯罪を解決したりしながら世界中を渡り歩くというストーリーです。
渡胸は人形師として紛れもなく天才なのですが、口数が少なく、内向的で常にオドオドしており、加えてイチモツが子どものように小さくてベッドで女にバカにされるといった、非モテ男子要素が数え役満のようにそろっている人物です。
しかし、この渡胸が実は二重人格者で、精神的なショックを受けると裏の人格「オスカー」が現れます。「オスカー」は渡胸と真逆の人格で、性格はワイルドで暴力的、しかも顔つきまで精悍でイケメンになり、筋肉ムキムキで巨根という……、いくら二重人格だからって、そこのサイズまで変わる!? と、ツッコミを入れざるを得ないキャラクターです。
作中のエピソードは、心優しい渡胸が人形を使って人助けする癒やし系パートと、オスカーがそこらへんの女を犯しまくったりするエロ&バイオレンスパートに分かれるのですが、やはりオスカーのブッ壊れた人格と、過剰すぎるエロスが、この作品を特徴付けているといえるでしょう。オスカーは自らを「超人間」と自称しているのですが、セリフからしてもう常人のレベルをはるかに超えています。
「おれのコックにあいさつしてくれ」
「女は子宮(ウーム)で撃つことを覚えれば絶対だッ!」
……どうですか? この俺様口調で、救いようのないくらい下品なセリフ。ちなみに、この作品では「コック」という言葉がまるで日常会話であるかのように普通に出てきますが、お察しの通り、コックさんのことではありません。念のため。
もうひとつ、この作品の魅力となっている重要な要素があります。それが、エピソードごとに毎回とっかえひっかえで登場するゴージャスな美女たちです。美女とは言いましたが、ことごとく洋物ポルノ女優みたいな濃すぎるルックスの女ばかりである上に、ほぼ全員が欲求不満という、必然的にエロくならざるを得ない設定となっています。お約束のベッドシーンでは……
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