『好きな人がいること』9.4%! 視聴率大躍進の裏に見えた、フジテレビの「差別的思想」
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フジテレビ月9『好きな人がいること』は、最終回直前の第9話。前回、最後の最後で千秋(三浦翔平)が、いきなり美咲(桐谷美玲)に抱きつくという衝撃シーンで終わっています。それまでの千秋は、お人好しで物わかりがよく、弟思いという設定でしたが、この行動ですべてご破算。もうすぐ30歳になろうというのに、自分の欲望を抑えることができず従業員に対してセクハラを働く“性獣”へと化してしまったのでした。
と、ここまで書いて思い出しましたが、この人、第3話でも欲望の赴くままに夜間の水族館に不法侵入してウットリしていたりしたので、もともと犯罪者気質なのかもしれませんね。男前の顔面と優しい語り口にすっかり騙されました。もう詐欺師にしか見えない。怖い怖い。
で、セクハラを働かれた側の美咲はどうしたかというと、こちらもウットリ。夏向(山崎賢人)と2人で食べようと思って作ったケーキを落としちゃっても、特に悲しそうにするそぶりはありませんし、千秋に謝罪と弁償を求めるようなこともありません。
こうして美咲は、千秋と夏向のイケメン2人を天秤にかけるという超オイシイ立場にありつくことができました。もともとそういう環境を望んで湘南に来たわけですから、ある意味、ヒロインをめぐる終盤の帰着点としては、ふさわしい構図になったのかもしれません。
で、こうなってくると千秋の彼女である楓(菜々緒)が邪魔です。邪魔者は粛清です。脚本家は、残酷なまでにあっさりと楓をドラマから退場させます。楓は唐突に「ボストンに行く」と言い出すと、そのまま空港に向かってしまうのです。ヒロインは自らの手を汚すこともありません。イケメンは自分のことを勝手に好きになってくれるし、邪魔な女は勝手に消えてくれるし、ほっときゃ告白してきてくれます。これぞヒロイン。誰もが羨む、いい人生です。
しかし、千秋に告白されたことで、夏向との関係はギクシャクしてしまいます。そして、ギクシャクしたままダイニングアウトという大切なイベント仕事の当日を迎えます。
美咲、現場に来ません。もう夏向とは仕事したくないってことかな……? と思わせてからの「かぼすが初収穫されるって聞いて、もらいに行っていた」発言。ここまでさんざんインスタグラムだとかGoogleMapsだとか、スマートフォンの機能を演出に取り込んできたくせに、ここでは遅刻確定なのに電話1本させない。この潔さ(ホメてません)。
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