「パラリンピック報道」に新たな視点を作る、風間俊介とマツコ・デラックス
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パラリンピック開幕前の2日、『リオ2016パラリンピック開幕直前SP~マツコが全力応援宣言!みんな凄いじゃないのDX~』(フジテレビ系)でスポーツ番組初MCを担当。番組冒頭、「パラリンピックを盛り上げようとしてるのに、中継が1本もないんでしょ? フジテレビ」といじり、番組中何度も、「でも、フジじゃ競技見られないんでしょ。NHKの番組表出したほうがいいわよ」と、いつものマツコ節を披露していた。
もっとも、これまで培ってきた経験が生きた、というのは、マツコ節だけではない。あまり知られてはいないが、マツコは2020年東京パラリンピックに向けて設立された「日本財団パラリンピックサポートセンター」において、タレントとして唯一、「顧問」に名を連ねている。また、今年6月からは朝日新聞紙上で、パラアスリートの対談企画もスタート。すでに多くのパラアスリートや、その関係者らと密接な関係性を築いているのだ。
だからこそ、障害者であってもその容姿やキャラクターをいじり、スポーツバラエティとしての質の高い笑いに変えることができる。
今回の特番でも、選手の勝負下着の話で盛り上がり、「義足はヌーブラみたいなもの」といった発言を引き出し、アスリート特有の野心やエゴイスティックな側面を明け透けにしていた。そういった、人間としての生々しい側面がこれまでのパラスポーツ報道に足りなかった部分ではないだろうか?
マツコは常々、「自分は常軌を逸した人間だ」といった趣旨の発言を繰り返している。そんな「常軌を逸した人間」だからこそ、パラアスリートの外見よりも内面を客観視でき、いかに人間くさく、愛らしい存在かに迫っていく。
パラアスリートを「超人」として語る風間俊介。「普通の人々」として扱うマツコ・デラックス。接し方はそれぞれ違うが、「障害者=大変そう」「障害者番組=感動、家族愛」となりがちな従来の番組作りと比較しても、視聴者に新たな視点を投げかけてくれるのは間違いない。
(文=オグマナオト)
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