「パラリンピック報道」に新たな視点を作る、風間俊介とマツコ・デラックス
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ロンドン大会で約45時間だったNHKの放送時間は、リオでは120時間以上へ激増。過去、最も注目を集めるであろう、リオデジャネイロ・パラリンピックが開幕した。
開会式では、車いす選手が観客席に作られた巨大スロープから一気に滑り降り、そのままジャンプ。ど派手なパフォーマンスが、さっそく話題を呼んでいる。
ただ、そのパフォーマンス以上に開会式でうならされたことがある。NHKの現地リポーターを務める俳優、風間俊介のコメント力だ。
「パラリンピックを見るたびに“障害を持った方は助けてあげなさい”という常識が覆される。僕ができないことを軽々とやってのける超人たち。もちろん、何か手助けできることがあれば手を差し伸べたいのですが、“手助けさせていただく”、そんな気持ちにすらなる、尊敬する存在です」
また、過去にパラスポーツの取材に行った際のエピソードとして、こんな発言もしている。
「お前は手がないんだ。その義手、カッコいいね。
お前は車椅子なんだ。その車椅子カッコいいね。
お前は……ノーマルなんだ。その空気が悔しかった。
みんながあまりにカッコ良くて、自分だけ個性がないような感覚に襲われたんです。多くの人に経験してほしい、不思議な感覚でした」
ここで挙げたのは、ほんの一例。入場行進で各国代表選手が入場すると、その国に合わせたコメント、過去の取材経験に基づくエピソードを披露してくれた。
風間のコメントが響くのは、付け焼き刃ではないからだ。風間は2014年から、障害や病を抱える人、支える人々に向けたNHK Eテレの情報番組『ハートネットTV』でMCとナレーションを担当。またこの番組の企画で、昨年カタール・ドーハで開催された障害者陸上の世界選手権も現地取材をするなど、経験を重ねてきた。
NHKとしても今回、風間を現地リポーターとして起用しているのは、決してジャニーズ所属だから、といった話題性だけでないのだ。
風間といえば、TBS系『3年B組金八先生』(第5シーズン~)での問題児・兼末健次郎役、フジテレビ系『それでも、生きてゆく』では殺人犯の雨宮健二役、NHK朝ドラ『純と愛』での待田愛役など、ダークな面のある役を演じることが多かった。これまで培ってきた俳優としての二面性も、パラリンピックという画一化しにくいテーマを扱うのに功を奏しているのではないだろうか。
パラリンピック期間中、風間はNHKで毎日放送される「パラリンピックタイム」に出演し、現地から生の声を届ける。彼が何を目撃し、どう語るのか、引き続き注目してほしい。
これまで培った経験でパラスポーツを語る人間がほかにもいる。マツコ・デラックスがその一人だ。
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