深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】vol.391
これはエマ・ワトソン主演版“愛のむきだし”だ!! 実在したカルト教団からの脱出劇『コロニア』
2016/09/09 17:00
#映画 #パンドラ映画館
1973年に南米チリで軍事クーデターが発生し、多くの市民が虐殺・拷問される。南米の共産化を恐れたCIAが暗躍したと言われている。
レナが目撃することになるコロニアの内情が強烈だ。コロニア内では男性と女性の生活テリトリーは厳格に分けられ、コロニア内で暮らす男女は教皇シェーファー(ミカエル・ニクヴェスト)の許可なしでは恋愛もセックスすることも許されていなかった。女性たちは早朝から夜遅くまで農作業や家事に従事させられた。連日の重労働でレナはヘトヘトになり、恋人ダニエルの捜索どころではなかった。少しでも怪しい言動を見せると、他の信者たちが幹部に密告するため、ダニエルに関する情報収集もままならない。シェーファーはお気に入りの男の子たちを周りにはべらせ、恐怖と暴力で信者たちを支配していた。もしかしたら、このままコロニアから永遠に出られないのでは? 敬虔な信者のふりをすればするほど、本当に洗脳されてしまいそうな恐怖とレナは闘うことになる。
数少ないチャンスがようやく巡ってきた。ピノチェト大統領がコロニアを訪問し、信者全員で歓迎イベントを催すことになる。ピノチェトを迎え入れる集団の中にいるダニエルをレナは発見。度重なる電気ショックによる拷問でやつれていたダニエルだが、洗脳されたふりをして辛うじて生き伸びていた。周囲に気づかれないよう、こっそりと喜び合うレナとダニエル。だが、2人に残された時間はわずかだった。ピノチェトの要請を受け、コロニア内で化学兵器サリンの人体実験が行なわれることになり、その実験台にダニエルが選ばれていたのだ。恋人たちは絶体絶命のピンチを迎える。
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