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日刊サイゾー トップ > カルチャー > 映画  > ピンク映画の巨匠が語る50年の歴史

“ピンク映画の巨匠”が若松孝二、可愛かずみらと過ごした日々を語る『つわものどもが遊びのあと』

tsuwamono02演出中の渡辺監督。女優を美しく撮り、男女の絡みをエロチックに描くことで配給会社と観客からの信頼は厚かった。

『つわものどもが遊びのあと』の後編では、荒井晴彦、高橋伴明、小水一男(ガイラ)、滝田洋二郎ら若手の台頭が語られる。多士済済な才能を育んできたピンク映画だったが、80年代に入ると代々木忠監督によるアダルトビデオ作品が爆発的ヒットとなり、AV時代が到来。ピンク映画は徐々に衰退の道を辿ることになり、渡辺監督の製作ペースも落ちていく。そんな中で出会ったのが、82年に劇場公開された『セーラー服色情飼育』に主演することになる可愛かずみだった。デビュー前から周囲の人たちが立ち止まるほどの美少女だった可愛かずみに、渡辺監督はぞっこんだったことがその口調からうかがえる。可愛かずみには人を惹き付ける不思議な魅力があった。「脱ぐのはかまわないけど、男との絡みはいや」と撮影を拒んでいた可愛だが、「監督がモノをつくるときは狂気の世界。いい映画を撮ろうとは思わない、この子で撮るんだということしか考えない」という渡辺監督の熱情に寄り切られることになる。自分のもとを去ったかつての恋人との蜜月の日々を振り返るような、そんな哀歓の交じった表情を渡辺監督は浮かべる。

 全10部という大長編のドキュメンタリーを1年がかりで撮り上げたのは、脚本家であり、『たからぶね』で渡辺監督が亡くなった後のバトンを受け継いで監督デビューを果たした井川耕一郎氏。渡辺監督との出会いと渡辺監督の自伝ドキュメンタリーを思い立った経緯についてこう語る。

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