“昭和の味”が滅亡の危機!? 北尾トロ&下関マグロらが探る『町中華とはなんだ』
#本
1年がたったころ、少食の2人は調査に限界を感じ、もっと町中華の実態を知るべく、竜氏をはじめとするメンバーをどんどん増やし始める。そして、駅に集合して周辺エリアの町中華をめぐり、気に入った店で食事をする“地域アタック”を決行するようになる。武蔵小山、西荻窪、荻窪、下北沢、築地、押上などなどを訪れ、とにかく町中華を求めて町を歩き回り、各自が行きたい店を訪れ、食べまくる。そして、“油流し”と呼ばれる、喫茶店での恒例儀式(感想会)を開く。店舗の実名もバンバン出て、感想が述べられているので、気づけば自分も参加しているような気になる。
「オヤジさん、出前に備えてバイクのヘルメット被って鍋振ってましたよ。あれすごかったなあ」
「決しておいしそうに見えず、サイズだけを強調している盛り付けが立派です」
「いや~、まずかったなぁ」
「全部食いきれるかどうかヒヤヒヤしたよ」
そんなコメントを聞いているうちに、うちの近くにも、町中華あったっけな? と思い始め、探したくなってきた。町中華が、なんだか妙に気になってくることは間違いない。
(文=上浦未来)
●きたお・とろ
1958年、福岡県生まれ。ライター。本やマニア、裁判傍聴、狩猟など、好奇心の赴くまま、さまざまな分野で執筆。町中華探検隊では隊長を務めるものの、好きな割に食べっぷりは力弱く、隊員の助けを借りて完食にこぎ着けている。『裁判長!ここは懲役4年でどうですか』(文春文庫)、『沈黙の オヤヂ食堂』(KADOKAWA)など著書多数。
●しものせき・まぐろ
1958年、山口県生まれ。街歩きをしながら、ネタを探して原稿を書いている。町中華探検隊では2号。店舗ファサード、店の歴史などに興味あり。主な書著は『歩考力』(ナショナル出版)。メシ通に「美人ママさんハシゴ酒」を連載中。
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