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テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第135回

感動は障害者を救えない? NHK『バリバラ』の挑戦

 大島から「すごく面白かった」と言われたグレースは、笑顔で「面白いって言葉が一番うれしい」と返した上でこう語った。

「お笑いやりたいとか、体を張るのが好きな障害者もいるんだっていうのがわかってもらえたら、お互いの壁みたいなのがなくなって、私の生きる道につながっていく」

『バリバラ』が本当にやりたかったのは、単なる『24時間テレビ』批判ではないだろう。打開すべきは障害者を無視し、ないことにしているテレビ全体だ。ドラマはもちろん、バラエティにも『24時間テレビ』などの例外を除いて、障害者たちが出ることはほとんどない。たとえ出ていたとしても、そこには“障害者である”という「意味」が必ず生じるし、そうでなければ「なぜ障害者?」と問われてしまう。障害者は、普通のイチ出演者としては扱われないのだ。

 特別なことではなく、障害者も健常者も多様性のある普通の人間のひとりとして一緒に笑い、一緒に泣く。それこそが「感動ポルノ」に陥らない道なのだ。最後に山本シュウは、出演者たちに問いかけた。

「裏の番組からオファーを受けたら、出るという人?」

 全員が「はーい!」と高らかに手を挙げた。
(文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/

「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

最終更新:2019/11/29 17:37
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