泌尿器科医がプロデュースする、香ばしい秘宝館「世界性風物館」
#韓国 #東アジアニュース #韓国珍スポ探訪記
バンコクはシリラート病院内にある「死体博物館」、そしてこの連載にも登場した精神病院の敷地内にある「大岩顔彫刻公園」(参照記事)の例を挙げるまでもなく、病院内の珍スポには有無を言わさぬ説得力があるものだ。
今回紹介する釜山の「世界性風物館」(英語名は「カーマ・セクストピア」)も、かなりギリギリである。この秘宝館、なんと泌尿器科医院の中に存在するのだ。いやむしろ、秘宝館の中に病院があるというべきか。
泌尿器科医であり、「韓国性文化会」会長のチャ・ヨンイル先生が運営する世界性風物館は、釜山の繁華街に立つ、4階建ての雑居ビルにあった。路面の1階にはコンビニが入店しており、その上に「チャ・ヨンイル泌尿器科医」の看板が、でんと掲げられている。
風物館の入り口は裏手にあった。案内によると、2階が泌尿器科医院となっており、残りの地下1階と3~4階が風物館。つまり、病院と言いつつ、建物の大半が秘宝館というわけだ。患者の皆さんは、どのような気持ちでこの病院に通うのだろうか?
チケットは2階の病院内で購入するようだ。泌尿器科のドアを開けると、そこはまさに町医者といったこじんまりとした雰囲気で、待合室の小さなベンチに座るご老人が、一斉に私のほうを振り返る。受付はその奥にあった。
刺さるような視線を感じつつご老人の間を通過、看護士のおばちゃんに風物館に来た旨を伝えると、彼女は事務的な様子で私にチケットをよこした。
いよいよ、風物館の入り口となる3階へ。扉を開けると、事務所を思わせるワンフロアに、性にまつわる世界の工芸品や絵画、写真などがずらりと並んでいる。
しかし、何より心に迫るのはその匂いだ。病院ならではの薬品の刺激臭と、秘宝館ならではの湿った匂いがブレンドされたような、今まで嗅いだことのない怪しげな香り。そこに泌尿器っぽさを感じるのは、私の思い込みだろうか……。
匂いのことは強引に頭の隅に追いやり、展示物をひとつずつ眺めていく。それらは、先生が1980年代から世界各地を訪れ集めたもの、そして韓国性文化会の会員が寄付してくれたものであり、全部で二千数百点もあるという。
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