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テレビウォッチャー・てれびのスキマの「テレビ裏ガイド」第134回

「面白い」が正義! 狂ったTBSに『芸人キャノンボール』再び

 藤井も、このたび発売された自著『悪意とこだわりの演出術』(双葉社)で、このように述懐している。

「ここで攻めているのは決して僕ではなく、元日のゴールデンタイムにこの番組を流すジャッジをしたTBSの編成だと思います」

 さらに、企画が決まった後も、一般的に視聴率至上主義といわれる編成部員から「ここは視聴率が多少悪くても、内容でちゃんと面白いモノを出すことが大事だから」「元日の目立つ場所で格好の悪い番組は出したくないから」と、何度も言われたという(同)。

 結果、視聴率は振るわなかったが、番組を見た人が絶賛する「熱のある」番組になった。

 そんな『芸人キャノンボール』が帰ってくる。

 スタッフや芸人たちのSNSなどによると、『FNS27時間テレビ』(フジテレビ系)放送のさなか、収録が行われていたらしい。

 その放送を前に、元日に放送された前回を振り返ってみよう。

『芸人キャノンボール』は、芸人たちが4つのチームに分かれ、4つのステージごとに「お題」が与えられる壮大な“借り物レース”だ。ゴールを目指しながら、「とにかく歌がうまい人」や「とにかく相撲が強い人」など、「お題」にあった人を連れてきて対戦する。

 ポイントは、チェックポイントに到着した順番で与えられる「着順ポイント」と、対戦した上での結果の順位に応じて与えられる「競技ポイント」があり、さらに「『紅白』出場者」「社長」「100キロ超え」などの際立った特長がある人を連れていけば、ボーナスポイントが与えられる。

 最初のお題は「とにかくにらめっこが強い人」。

 それぞれのチームは人が多くいる場所や、個性的な人が集まりそうな場所を思案しながら、「にらめっこ」が強そうな人を探していく。

 また、この番組の肝は、連れていく人を素人に限定していないことだ。出演者の人脈を使って芸能人などを連れて出すことも認められている。実際、ロンドンブーツ1号2号チームは、アンガールズ田中がいる有吉チームを笑わせるため、相方の山根をブッキングしようとした(結局、地方ロケのためNG)。

 なんてことのない「お題」だが、そこは藤井の番組。絶妙な“悪意”がまぶされている。

「にらめっこ」が強い=個性的な風貌ということで、藤井の番組では頻出する「歯がない」人などが登場。

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