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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 色街「飛田新地」の知られざる今

「妖怪通り」が「姉系通り」へ!? 営業許可100周年を迎えた色街「飛田新地」の知られざる今

――そ、そんな意識高い系の美女がっ!? 

杉坂 それに、かつては「妖怪通り」と呼ばれ、40~50代の女性ばかりだったエリアも若返りが進み、30代の女性が多くなっています。今では「妖怪」ではなく「姉系通り」と呼ばれるようになりつつあります。20代的な若さはなくとも、サービスがいいので、若い男性でも姉系通りを使う人が増えているんですよ。

――飛田の通りをめぐっても、地殻変動が起きているんですね。しかし、本書には、飛田にも押し寄せる不況の波が赤裸々につづられています。

杉坂 お客さんはどんどん減っていて、10~15年前の半分程度の売り上げでしょう。かつては、1店舗で月1,000万円以上を稼ぐこともざらにありましたが、今ではそんなお店は数えるほど……。風俗が多様化している一方、風俗に行かない草食男子も増えています。飛田の中でも、熾烈な生き残り合戦が勃発しています。ただし、安売りの価格競争ではなく、15分1万1,000円の基準はほとんどの店が守っています。

――値段ではなく、質による競争ですね。

杉坂 僕の店では、中国の観光客を積極的に受け入れました。ここ2~3年、急激に中国人観光客の利用者が増えていたんです。日本の女性は、外国人から評判がいいですからね。

――女の子たちは、外国人の接客は嫌がらないのでしょうか?

杉坂 嫌がる女の子も多いです。知り合いのお店でマナーを守らない中国人がいて、女の子が出勤拒否になったケースもあります。避妊具を外したり、無理やり襲ったり、女の子の身体にかみつくといったケースも耳にしています。

――すごい性癖ですね(笑)。

杉坂 ここに来る中国人客には、かみつきフェチの人が多いらしいですよ(笑)。日本人はあまり思い切った行動はしませんが、外国人は、旅先ということもあり、マナーが悪いケースも一部あります。ただ、基本的には言葉の問題でギクシャクするだけで、仕事的にはほとんど問題ありません。

――苦労のかいあって、杉坂さんは当初月200万円の売り上げだった熟女店を、わずか半年で月500万円の売り上げに導いています。ビジネスとしても、大成功ですね。

杉坂 飛田は超保守的な街で、中国人観光客に対して、組合としては取り組んでいませんでした。そういう意味では、隙間を狙いやすい街なんです。うちの場合は、おばちゃんや女の子を教育し、英語のメニューや注意事項を作りました。おばちゃんに英語をしゃべらせるのはさすがに無理ですからね(笑)。お客さんには、英語の紙を渡すだけで理解してもらえるように工夫したんです。

――しかし、中国のバブルが終わり、爆買ブームも収束しつつあります。今後、飛田にはどのような波がやってくるのでしょうか?

杉坂 今のところ……次のブームは見えてこないですね。組合では、消防団の活動や避難訓練などで飛田の知名度を上げたり、コンサートを企画するなど、イメージの向上を目指しています。悪いイメージを払拭することで、今後に結びつけようと考えているようですね。

――ただ、キレイな街になると、猥雑な魅力がなくなってしまうのでは……?

杉坂 好き勝手にやっていては、沖縄の真栄原や川崎の堀之内のように、摘発される危険性があるんです。あべのハルカスが誕生する頃、実際に「飛田を潰す」という話も出ていました。今後は、「飛田を残すべき」と一般の人からも言われるような街を目指していくべきでしょう。あまり知られていない話ですが、飛田は反社、半グレの人々が一切関わっていないクリーンな街なんです。

――男性に愛される飛田新地から、地域に愛される飛田新地へ。次の100年も期待しています!

最終更新:2016/08/24 18:00
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